「弔くん起きて」
「ん"うぅ....」
ゲームをやるパソコンに頭を突っ伏しながら眠る弔くん。
普段ならお布団を掛けるところだが、夜遅くなのにお風呂に入っていないので起こしているのである。
でも、いくら揺すっても声を掛けても起きない。
先生から毎日お風呂に入りなさいって言ってたから...。
ずっと後ちょっと後ちょっとって言ってそのまま寝落ちしちゃった弔くんにデコピンをする。
顔を顰めたが起きなかった。
「困ったなぁ...」
タンスを開けて予備の服があるかを見る。
「あっ....」
そうだった。
予備の服はこの前キツくなっちゃって今ドクターに頼んでる所だった。
カレンダーに目をやり、明日の予定は何も入ってないのを確認する。
予定がないからシーツを羽織って過ごすことが出来る。
「よいしょ」
弔くんを1度だけベットに寝かせて服を剥ぎ取る。
剥ぎ取った服を先に洗濯機に投げ入れ、タンスへ弔くんの寝巻きを取りに行き脱衣所にシーツと共に置いておく。
「弔くん、お風呂入るよ」
全裸の弔くんを半ば引きづりながら背負い、お風呂に向かう。
毎日弔くんがお風呂に入れてくれるのでやり方はだいたい分かる。
先に髪をブラシで解きほぐす。
弔くんの髪はとてもふわふわで量が多いのでよく絡んでしまう。
私は丁寧に丁寧に解きほぐした。
弔くんの髪を梳かし終わり、私の髪を梳かす。
私の髪はかなり長いのでちょっと時間がかかった。
服を着たままシャワーを出す。
なんだかいけないことをしてる気分。
シャワーの温度が適温なのを確認する。
「目瞑って」
ってもう瞑ってた。
ふわふわの髪にお湯が掛かると髪がしんなりして面白い。
シャンプーを手に取り泡立ててから丁寧に弔くんの髪を洗う。
優しく優しく、弔くんがやってくれるように。
シャンプーを洗い流した後、今日はトリートメントの日だったので弔くんにトリートメントをする。
タオルで髪を包んでその間に身体を洗う。
全部私専用の石鹸でやってるけど大丈夫かな...。
一旦湯船に弔くんを入れて自分の髪と身体を急いで洗う。
トリートメントも入念にやってから濡れた服を着て弔くんを湯船から引っ張りあげ、トリートメントを流してからリンスをしてボディーソープを泡立てて身体を隅々まで洗う。
男の子の下半身を洗うのはちょっと戸惑ったが弔くんが起きないので目を瞑って頑張った。
全部洗い終わり、再び弔くんを湯船に入れて自分を洗う。
途中、手袋をし忘れてシャワーヘッドが溶けそうになったがギリギリ大丈夫だった。
手袋の水気を出来るだけ絞る。
バスタオルを床に敷いてちょっと固定し、弔くんを再び湯船から引き上げてバスタオルでぐるぐると巻く。
巻いたあとは先に髪を乾かす。
私は普段の弔くんの入浴後のケアなんて知らないから弔くんがしてくれるように髪にオイルを付けて馴染ませる。
あれ、いつもよりふわふわでサラサラな気が...。
私はぐるぐる巻きの弔くんをバスタオルから解放して丁寧に水気を拭き取った後、保湿剤を体全体に塗って寝巻きを着せる。
少しだけ弔くんには床で寝てもらおう...。
急いで髪のケアをした後、水分を含んで重くなった服を脱ぎ、毒を極限まで弱めてから弔くんをシーツに包む。
そのシーツの上から弔くんを背負い、寝室に運んでベットに寝かせる。
「もう、世話が焼けるなぁ...」
弔くんからシーツを剥ぎ取り、シーツお化けになる。
そのまま布団に潜り込み弔くんにくっついた。
「ありがとな...」
ちょっとだけ起きた弔くんは私の頭を優しく撫でてそう言った。
「...もう!」
私はちょっぴり怒りながらも弔くんの胸に顔を埋めた。
たまにはこんな日があっても....
良くない!!!!!!!!!!!