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    aksLMT

    @aksLMT

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    貴族ローさん×庭師の少年ゾロくん。
    なんちゃって中世風ファンタジーパロのネタまとめ②
    まとめってか、長すぎてツイートする気が失せたのでこのままここで公開するやつ。

    剣と魔法のファンタジーっていいよね②貴族ローさん×庭師ゾロくんの話するね。
    これまだ妄想すんの?って思った。するの♡

     ゾロくんぶっ倒れ事件からの使用人大量粛清事件から、いじめが表だっては無くなったけど今度は割と腫れ物に触るような扱いになっちゃったゾロくん。どんどん居心地が悪くなるけど、本人気にしてないからセーフ。(せやろか)

     その後も、夜の庭で時々ローさんと会うゾロくん。会う、といっても約束をしてるわけじゃなくて、ゾロくんが妖精さんたちとじゃれてたりぼーっとしてるところにローさんがやって来るって感じ。
    「月が好きなのか?」
     って聞かれて、首をかしげるゾロくん。
    「星が好き?」
     もう一度首をかしげる。
    「そうか…、いや、いつも熱心に空を見上げているから好きなのかと思って」
     そういわれて、ゾロくんは夜空を見上げる。
     宝石を砕いたような星がきらきらと濃紺を埋めている。今日は月が新月になる直前の夜で、月は限りなく細い三日月だった。そのせいか余計に星が良く見える。
     星、月、好きか嫌いかと言われたら、多分嫌いじゃない。キラキラしたものは見ていて気持ちがいいから。
     それに、夜は生き物が眠る時間だ。ゾロくんを害す存在もだいたいが眠りにつくから、一番安心できる時間でもあった。
     …言われてみれば、好きな方かもしれない。あんまり好悪について考えたことが無かったゾロくん、自分の感情が一つわかってちょっと嬉しくなる。

     そんなゾロくんの横顔を見てどう思ったのか、ローさんは不意に
    「あの月のそばの明るい星、青色に見えるやつ、わかるか」
     って夜空を指をさす。ゾロくんが頷く。
    「あれは海の星という」
     星に名前があるのか、とゾロくんは驚いてローさんの顔を見る。
    「月のそばに現れる明るい星は、海の星、天の星、金の星、土の星、火の星なんかがある。……あとは、ああ、ほら、あの白い星。あれは常に北に輝くから、旅人の星と呼ばれている」
     ゾロくんは夢中になってローさんの話を聞いて、星を追う。瞳がきらきらと輝くのが見て取れて、ローさんは少しそれに見惚れた
     しばらく星の名前や星座やその物語を話してやって、夜が更けた頃、ローさんは「もう寝なさい」とゾロくんの頭を優しく撫でる。最初の頃は、ローさんがゾロくんに触れようとすると光の妖精たちが騒ぎ立ててローさんを追いたてようとしたりしてたけど、最近はそんなこともなくなった。

     星や月の話の他に、ローさんは魔法についても色々話してくれた。
    「おまえの光魔法は植物の育成を助けると聞いた」
     頷くゾロくん。
    「たぶん、それ人間にもかけられるぞ。ステータスの上昇とか、…治癒力の向上とか」
     人に魔法をかける?そんなこと考えた事もなかった、って口をぽっかり空けてあっけにとられた顔をするゾロくんにローさんが肩を震わせて笑う。
    「おまえが望むなら、教会に掛け合って能力を伸ばすための機会を作ってもいい。…じゃない、閣下に掛け合ってみてもい」
     ローさん自分自身が辺境伯だって隠してるので、微妙な言い回しになる。
     ゾロくんはそんな言い回しを気にすることもなく、でも、教会って言葉に顔をしかめて首を横に振った。
    「? 教会がいやなのか?」
     頷くゾロくん。
    「どうして?」
     少し間を開けて、自分の胸をとんとん、と指先で叩いて首を横に振るゾロくん。ローさんと決めた手話みたいなもので『いやなことをされた』とか『それは好きじゃない』みたいな意味のジェスチャー。
    「…そうか。じゃあ、やめよう。おれが教えられることなら教えてあげよう」
     またローさんは大きな手でゾロくんの頭を撫でた。
    「光魔法では傷は治せない。あくまで治癒力の向上、筋力や魔力の増強補正の魔法が使える属性だ。治癒魔法は聖属性なのはわかるか?聖と光は教会が管理してることが多い属性で、火や水、雷なんかは軍属や騎士の一門に多い」
     穏やかなローさんの声にゾロくんは次第にうっとりと目を細めて聞き入るようになる。胸があったかくなってふわふわするような感覚は好きという意味だと最近知った。――このひとのこえは、好き。

     夜にしか会わないから、ゾロくんはローさんのことをヴァンパイアみたいだなって思ってる。
     治癒魔法が使えるから魔物じゃないと思うけど、じゃあ、夜の妖精?はは、妖精って感じないな。
     そんなことを考えながら昼間は庭木の手入れをしてる。バラの剪定と垣根の剪定とかやりながら、元気がなさそうな木や花にちょっとだけ魔法をかけて回る。
     ゾロくんが来てから、ここの庭はどこか彩度があがって生き生きしてるように見える。本人はあんまり気が付いてないけど。
     そんな感じで穏やかに過ごしてたんだけど、ある晩、領内に鳴り響く警鐘の音で屋敷内が騒がしくなって、馬が駆けるどどど、という重い音と騎士たちの鎧が触れ合うがちゃがちゃとした音が遠ざかって行く。
     不意に、どんどん、と庭師小屋の戸が叩かれて、ゾロくんはそっとドアを開ける。するとそこに夜なのにサングラスをかけた男が立ってて「これ、治癒師のお兄さんから」って手紙を渡してくる。
     手紙?とゾロくんが固まってるのを見て、相手はハッとした顔をして、
    「…えっと、字、読める? おれが音読…あー、おれが読んでいいのかな」
     と言ってきた。それを聞いて、慌ててゾロくんは手を伸ばして手紙を受けとる。
    「あれ、文字読めるの? もしかして、書けもする?」
     相手に頷くと、男は「マジで?!」と大声を上げた。
    「えーっ、まじか、あー、あの人そういうとこ抜けてんだよな。確認しなかったんだ…いや、そう、そうかあ。あ、ごめんね大声出して。おれ、シャチ。治癒師のお兄さんの…なんだ、幼馴染なんだけど」
     ゾロ君が頷く。
    「さっきの警鐘聞こえたよね?国境近くに魔物が出て、あの人はその討伐に出た。もしかしたら、万が一のこともあるからって君にこの手紙を残してね。届けるようにっておれに命令…じゃなくてお願いして」
     警鐘、魔物、討伐、万が一。
     ゾロ君はその言葉にどんどん顔色が悪くなる。ゾロ君の実家は騎士の一門で、魔物の討伐にもなじみが深い。そんで、この辺境伯領内とその周辺の森や海や山の魔物がバカ強い事も知ってる。万が一って、それ、遺す手紙って、そんなの、遺言みたいじゃないか。
     慌てて手紙の封を切ろうとするけど、手が震えてうまくいかない。
     見かねたシャチがゾロ君の手に触れて「おれが開けるね。いい?」って聞いてくれて、震えながら頷くゾロ君。
    「おれの言い方がわるかったね、ごめん。大丈夫だよ、あの人すっごい強いから」
     って言いながら手紙の封を切って渡してくれるシャチ。めっちゃいいやつだなこいつ。
     心臓が壊れそうだって思いながら手紙を広げると、丁寧で少し右上がりの綺麗な文字が並んでる。
     そこには「討伐に出るが、心配はいらない」という事、「少し戻るのに時間がかかる」という事、「おれがいない間おまえに不都合が起きないようにシャチをおいていく」という事、「多分おまえの光魔法は相当強い。魔力が何かに引っかかって放出されていないだけだと思う」という事、「それが教会や他に知れると多分面倒なことになる」という事、「だから、もし自分の身に万が一が起きたとしたら、シャチとペンギンという腹心におまえのことを守るよう頼んでいる」という事、「それから、戻ったら、おまえに伝えたいことと謝りたいことがある」という言葉で手紙は締めくくられていた。
     最後に記された書名は、「ロー」と書かれている。その人の名前を、ゾロ君は初めてここで知ることになる。
     指先で、名前の部分を何度か撫でて、ゾロくんはシャチを押しのけて外に出る。
     息を吐いて、大きく吸って、細く長く吐く。目を閉じてそれを繰り返すうちに、どんどんゾロくんの周りに光が集まっていく。シャチが「ええ?!」って驚いてるけど、とりあえず無視した。
     手に持った手紙、その名前に指先をふれさせたまま、まるで口付けるみたいに息を吐く。その瞬間、ひゅう、と風鳴りがしてその光がどこかへ向かってキラキラと遊ぶように走り出す。
     それをシャチは呆然と見送って、そしてすぐにその場に崩れ落ちて気絶したゾロくんをスライディングで抱き留めた。あっぶね~~!!!怪我させたらローさんに殺されちゃう!!!!
    「……いまのって、光魔法?なにあれ、あんなの見たことない…」
     って呟くシャチは困惑したまま、気絶してるゾロくんを見降ろす。

     一方その頃、転移魔法が使える少数精鋭だけで魔物の元へ飛んでたローさんは、血みどろの戦闘中。
     スタンピードの前兆か異様なほど魔物が多くて、しかも普段なら見かけないようなものまでいる。「なにあれェ?!」「うそだろおい、お前は山奥にしかいないはずだろ!」とか部下が騒ぎながら戦闘してるのを横目に、範囲魔法で雑魚を削りつつ、大型をつぶしていくローさん。
     魔力量がアホほど多いから、強力な魔法を連発しても大丈夫だけど、その分反動はしっかり来るから調整は必須。でも、そんなことも言ってられないほどに今回は数が多い。
     舌打ちしながら範囲魔法を三カ所くらいで展開させる無茶をして、ペンギンに「魔力の配分考えろあんた死ぬぞ!」ってバチギレされつつ、闘い続ける。
     その時だ。不意に、暖かくて柔らかい風がローさんの身体に纏わりつく。「?」と思わず治安の悪い声が出たけど、すぐに「あれ、これ、ゾロ屋の周りにいつもいる妖精だ」って気が付く。その瞬間、すうっと光がローさんの中に吸い込まれて行った。
     それをすんごい顔で見てたペンギンが、跳ね飛ばした魔物の首を蹴りながら「ローさん何いまの大丈夫?!」って叫ぶのを「大丈夫だ。光魔法だな…バフがかかった」って宥めるローさん。
    「光魔法のバフって、おれらの隊にそんな魔法使えるやついないのに……え、もしかして」
    「……ゾロ屋だろうな」
    「屋敷からここまでめちゃくちゃ距離あるんですけど」
    「ああ」
    「異常な量の妖精でしたけど」
    「うん」
    「……ちょっと失礼」
     ペンギンがローさんの手袋を引っぺがして手の甲を見る。魔封じのタトゥーの色が赤黒い物からただの墨の色へと変化していた。
    「…………あの子、危なくない?!何この力!ヤバいって、欲しがる人がざっと両手で余るほど思い浮かぶんだけど!」
    「めちゃくちゃ危ねェ。早く戻って色々と考えたい。最大出力でぶっ放していいか。みんな下がらせてくれ」
    「…了解しました」
     ローさんの身体のこと考えてちょっと止めようと思ったけど、タトゥーの様子からイケるか、とペンギンは頷いた。

     ローさんのタトゥーは魔力の蓄積や暴走で命を落とす所謂、魔力症を抑えるためのもの。抑えきれなくなると真っ赤になってローさんが死ぬから、バロメーターの一種としてそれを確認しつついつもペンギンやシャチがストッパーやってる。

    という所まで考えました。
    凄い長い!!!!!!!睡眠時間削って何してんだ!!!!
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