「普通の尺度」「うーん別に美味しくないですね。」
唸りながら食べる手を止めない。
無数の足を出せと急に命じられたかと思ったら目の前で自分足を食べられている様子を何故か見せられている。
変身する際の足は再生するからいいものの。
こいつ…魔王のすることはいつも突飛で奇想天外だ。何がしたいのか、はたまた暇なのか。暇というのが一番的確なのだろうなと納得することにした。
次の人そのまた次の日も魔王の“暇つぶし”は続いた。
ある時は「この中に猛毒が1つ混ざってるんですけど、ロシアンルーレットするの面倒なので、もう全部食べてください。♡」
またある時は「モタにイタズラしかけてみてくださいよ。私がしたら面白くないのでエルスが。」なんて、目茶苦茶な要求ばかり求められ文句を言いながらも結局それに応じている始末である。こんな形であれ、構ってもらって嬉しいなんて微塵も感じ取って欲しいくはないが少し思っているのは認めなくもない。
935