180cmの月島「月島!」
「はい」
「は? お前デカくないか?」
鶴見は駆け寄ってきた月島をマジマジと眺める。月島はキョトンとした顔で鶴見を見つめ返した。目線の高さは同じだ。
「は……何か御用でしたでしょうか?」
「屈め」
「はい?」
鶴見は再度「屈め」の三文字を、今度は一文字ずつハッキリと発音する。月島は困惑したまま膝を折って腰を低くした。ちょうど銃剣を構えている時のような体勢だ。そのまま鶴見を見上げるとその表情は満足気だった。
「よし、基本姿勢はこれでいくぞ」
「太腿が破裂してしまいます、鶴見中尉殿」
「お前、腰までの高さがある草が生えている所のみを歩けよ。膝を深く曲げているのが見えないように」
「何を仰ってるのです? 私は……」
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