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    Cでござりまする

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    恵直です
    何度でもいいますけど恵直です
    直には受けの才能があると思いました(少数派なのは知ってる)
    血と少しのすけべありますので、ご注意を

    #恵直

    殺してやろうと思っていたのは本心からだった。
     自分の地位を揺るがすもの、欠片でも脅かすもの、価値のないものはいなくなっても何も問題ない。
     世界は自分のために回るなんてことはないけれど、ならば自分で良いように回してやろうというのが直哉の偽りない考えだ。
     それを回すのに術も何も守るべきルールなどなく、邪魔になったほうが悪いのだから。
     クズだゲスだと弱者は叫ぶが、カスみたいな存在に言われたとて何も思いはしなかった。
     憐れだ、とさえ思う心も見つからない。
    「……憐れですね、それ」
    「クソガキ、ほどけやコラ」
    「嫌ですよ。折角繋いだのに、自分からほどく馬鹿いませんって」
     土地勘のない直哉にとってここがどこなのか、なんなのかなどわからない。
     東京だとは思うが、あくまでも予想。
     そも、目の前の殺したい男が遠方に自分を連れていけるほどの財力がないことなど、知っている。
     だからわからない。
     何故己がこのように囚われているような真似をさせられているのか。

     埃のような臭いに混じる湿った空気。
     少し金臭く、括られた両手首には冷たい手錠のようなものがかけられている。
     どうせ正規品ではない、そのへんで勝った安物の玩具だ。
     力任せに引きちぎり、罅の少しでも入れられればなんとでもなると思うが、いくら手に力を入れてもびくともしない。
    「無駄、ですよ。それ呪物なんで」
    「なんやと」
    「ちょっと細工して、なにかを捕まえられるものに変えたんです。例えば、呪力を持つものとか」
     カツカツと、冷たいコンクリートの床に恵の低い、声が足音と共に響いて嗤いかけてくる。
     すぐ近くまでやってきてそのまま見下ろすそれは、視線だけではなく直哉自身を見下しているようで一気に頭に血が昇った。
    「ほどけゆうとるやろっ!この」
     ジャリ、と言おうとした顎を靴のまま蹴りあげられて、歯を食い縛ることもできずに口のなかが切れる。
     じんわりと滲んだあとたらたらと出血し始めて、痛みでそれを吐き出すこともできずに口の端から溢れでてきた。
     顎に極ったせいか軽い脳震盪を起こしてぐらつく視界に、薄気味悪い笑みを浮かべた恵が揺らめいて映りこんでくる。
    「うわっ、そんなに血が出るほど強くしたつもりないんですけど……やっぱ弱い奴は怪我しやすいんですね」
     ぼんやりしていてもそれが向けられた悪意だと、すぐにわかる。
     気持ちが悪い、視界は定まらない。
     それでも睨みあげて口を開けば、ごぽりと血が足れた。
    「いー眺めっすね。両手拘束されて、身動きとれなくて……殺意だけ一丁前で」
    「……殺したる」
    「やれるもんならやってみろよ」
     大きな黒い影が落ちるように、恵が恭しくしゃがみこんで暗く嘲る。
    「その前にあんたの全部、蹂躙してやるよ」
     血みどろの直哉の口腔内に無理矢理指が二本捩じ込まれ、傷になってるだろう場所を容赦なく爪がたてられる。
     痛みによる反射で身体を反らそうとすると、
    「逃げるな」
     と、眼前で聞こえた言葉が口のなかに舌と共にぬるりと滑りこんできた。
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    DOODLE恵直です
    何度でもいいますけど恵直です
    直には受けの才能があると思いました(少数派なのは知ってる)
    血と少しのすけべありますので、ご注意を
    殺してやろうと思っていたのは本心からだった。
     自分の地位を揺るがすもの、欠片でも脅かすもの、価値のないものはいなくなっても何も問題ない。
     世界は自分のために回るなんてことはないけれど、ならば自分で良いように回してやろうというのが直哉の偽りない考えだ。
     それを回すのに術も何も守るべきルールなどなく、邪魔になったほうが悪いのだから。
     クズだゲスだと弱者は叫ぶが、カスみたいな存在に言われたとて何も思いはしなかった。
     憐れだ、とさえ思う心も見つからない。
    「……憐れですね、それ」
    「クソガキ、ほどけやコラ」
    「嫌ですよ。折角繋いだのに、自分からほどく馬鹿いませんって」
     土地勘のない直哉にとってここがどこなのか、なんなのかなどわからない。
     東京だとは思うが、あくまでも予想。
     そも、目の前の殺したい男が遠方に自分を連れていけるほどの財力がないことなど、知っている。
     だからわからない。
     何故己がこのように囚われているような真似をさせられているのか。

     埃のような臭いに混じる湿った空気。
     少し金臭く、括られた両手首には冷たい手錠のようなものがかけられている。
     どうせ正規品では 1274

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    殺してやろうと思っていたのは本心からだった。
     自分の地位を揺るがすもの、欠片でも脅かすもの、価値のないものはいなくなっても何も問題ない。
     世界は自分のために回るなんてことはないけれど、ならば自分で良いように回してやろうというのが直哉の偽りない考えだ。
     それを回すのに術も何も守るべきルールなどなく、邪魔になったほうが悪いのだから。
     クズだゲスだと弱者は叫ぶが、カスみたいな存在に言われたとて何も思いはしなかった。
     憐れだ、とさえ思う心も見つからない。
    「……憐れですね、それ」
    「クソガキ、ほどけやコラ」
    「嫌ですよ。折角繋いだのに、自分からほどく馬鹿いませんって」
     土地勘のない直哉にとってここがどこなのか、なんなのかなどわからない。
     東京だとは思うが、あくまでも予想。
     そも、目の前の殺したい男が遠方に自分を連れていけるほどの財力がないことなど、知っている。
     だからわからない。
     何故己がこのように囚われているような真似をさせられているのか。

     埃のような臭いに混じる湿った空気。
     少し金臭く、括られた両手首には冷たい手錠のようなものがかけられている。
     どうせ正規品では 1274

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    何度でもいいますけど恵直です
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    殺してやろうと思っていたのは本心からだった。
     自分の地位を揺るがすもの、欠片でも脅かすもの、価値のないものはいなくなっても何も問題ない。
     世界は自分のために回るなんてことはないけれど、ならば自分で良いように回してやろうというのが直哉の偽りない考えだ。
     それを回すのに術も何も守るべきルールなどなく、邪魔になったほうが悪いのだから。
     クズだゲスだと弱者は叫ぶが、カスみたいな存在に言われたとて何も思いはしなかった。
     憐れだ、とさえ思う心も見つからない。
    「……憐れですね、それ」
    「クソガキ、ほどけやコラ」
    「嫌ですよ。折角繋いだのに、自分からほどく馬鹿いませんって」
     土地勘のない直哉にとってここがどこなのか、なんなのかなどわからない。
     東京だとは思うが、あくまでも予想。
     そも、目の前の殺したい男が遠方に自分を連れていけるほどの財力がないことなど、知っている。
     だからわからない。
     何故己がこのように囚われているような真似をさせられているのか。

     埃のような臭いに混じる湿った空気。
     少し金臭く、括られた両手首には冷たい手錠のようなものがかけられている。
     どうせ正規品では 1274