噂話 ここは彩衣鎮にある、とある料理屋。
広い店内の中央にある大きな卓には揃いの白い校服を着て額に抹額を締めた少年たちがずらりと並んでいる。
魏無羨は数ヶ月に及ぶ遊歴から藍忘機とともに戻ってきていて、ここ数週間は雲深不知処をぶらぶらする傍ら少年たちの夜狩の指導を買って出ている。今夜は夜狩のあとに少年たちを伴って料理屋を訪れたのだった。
卓の一角には蘭陵金氏の現当主たる金凌が陣取り、ずらりと並んだ姑蘇料理を珍しそうに眺めている。金凌は一緒に夜狩をするために金鱗台から出てきていて、数日の間藍氏の少年たちと行動を共にしているのだった。
魏無羨はと言うと、少年たちを店に連れてくると金だけ払ってやり、自分は迎えに来る予定の藍忘機と一緒に先に帰ると言う。
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