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    Yukimiti12_

    @Yukimiti12_
    劣情ポストの葬儀場

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    Yukimiti12_

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    ふぉろわーさん(@hsrnzaki)の☀がショタにゃんこっていう設定をお借りした劣情です
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    Yukimiti12_

    SPUR ME頑張れアタイ
     頭に花冠。腕の中に果実や酒の入った紙袋を抱えたファイノンはそれじゃあと言葉を残し、雲石市場にある青果店を後にした。
     骨董品を取り扱う賊の手の前にある大通り。ファイノンは、山の民たちが営む鍛冶場とは逆方向に進み、上へと向かう階段を上り始めた。屋根を伝い、細い路地を抜け、また何段もの階段を上っていく。すれ違う人が段々と少なくなって、いつしかその道を歩くのがファイノンだけになった頃、ようやく彼だけの秘密の場所にたどり着いた。
     ここまで来るともう人は来ない。というより忘れ去られたという方が正しいのだろう。人2人分ほどの狭い通路。ここがファイノンがオクヘイマで見つけた数ある秘密の場所のうちの1つだった。壁には蔦が這い、ひび割れ欠けている。石畳もあちこち剥がれ、その隙間から野花や草が生い茂っていた。風が吹くたびにそれらが揺れて、さあさあと音を奏でる。オクヘイマのどこよりも静かで、流れる時の穏やかさがファイノンに故郷を思い起こさせた。積まれた麦の山に寝そべって考え事をした幼い頃のように、ここはファイノンが誰にも言えない悩みを抱えた時に訪れる、お気に入りのスポットでもあった。
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