フォルダにあったやつ🎻⌛️ 双方の館はそれほど遠くに位置しない。薄暗い森を纏わせた二つの館は、大きな花園を起点に美しく対称である。勿論、大きさこそその類ではないが。そんな世界の中では度々、しんと静まり返った世界に音が遠くからやってくるのだ。ある時は女性の笑い声、ある時は謎の爆発音、そして、またある時は弓の奏でる軽く、時に重い音が。今日もまさにその"音"の日であった。
「こんな時間まで僕を苦しめやがって」
くそ、と悪態をつくものの、等の元凶たる悪魔はここにはおらず、その"音"は留まることを知らない。今度あったら面と向かって言ってやる。変なもの聞かせるな、とな。そんなことを考えながら、止まない"音"の雨から逃れようと布団に潜り込むのだった。
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