「はー、お腹いーっぱい!」
「だな。私も少し食べすぎたかもしれない……」
歩きながらリリーとルカが口々に満腹を示す。それを後ろから眺めて、十一とナワーブは顔を見合せて笑う。先ほどの若い二人の食べっぷりは素晴らしかった。少々懐には痛い出費になったが、それは今後の活躍で返すと宣言された。そんな眩しい姿も含めて、奢った甲斐があったというものだ。
何を隠そう、今日は新生した戦隊の決起会と称した食事会だった。ささやかなものではあったが、時間を取ってメンバーで集まったことで、この四人でこれから競技シーンで戦っていくのだと改めて確認することができた。身が引き締まる思いもありつつ、リラックスした空気の中で会が進んだことも大きな成果と言える。これなら親睦を深めるという目的も達することができただろう。せっかくの機会と出会いだ。ゲーム中のチームワークという観点でも、もちろんそれを抜いても、仲を深めるのは大切だろう。
723