巴 『巴』
初任務を無事に終えて、浅草へ。
浅草で珠世と愈史郎という特殊な鬼と知り合い、十二鬼月の血を集める約束を交わした炭治郎。
次に赴いたのは——鼓の屋敷。その道中である。
「炭治郎!」
「善逸!」
運命の再会。道のど真ん中で、抱きしめ合う二人。
「会いたかったよぉ、炭治郎〜。元気? あ、元気じゃねーなこれ。肋骨骨折してない? 音おかしいぞお前。ヤダ! そんなんじゃ俺を守れないだろ お前には俺のことしっかり守ってもらわなきゃいけないのにぃ!」
「っ、す、すごいな善逸……よくわかるな……! 実はそうなんだ。でも、善逸は俺より強いから大丈夫だ!」
「強くねーわ! ばか!」
背中に回した手を首の方へと移動させて、改めて抱きつかれる。少しの振動でも痛むが、正直離れ難い。
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