repainting the night「私と憂憂くんで、ですか?」
「はい…、お願いできますでしょうか?」
「憂憂くんと親子、または兄弟の設定で潜入するのであれば…私ではなく、どうして冥さんにお願いしないのですか?まさか、冥さんに内緒で憂憂くんを派遣するつもりですか?」
「いえいえ!とんでもない!あの…そのぉ…、どうしても今回の調査任務に子どもの呪術師が必要で、憂憂くんの派遣をお願いしたいと冥さんにお伝えしましたところ…、かなり足元見られてしまいまして…ずいぶんな額を吹っかけられてしまって…」
だから冥さんまで派遣要請する予算がありませんで…とハンカチで冷や汗を拭きながら、眉を八の字に曲げて歯切れも悪く伊地知は言った。
事の発端は、とある宗教団体がハロウィンの日にお菓子を配ると大々的に宣伝を打ったことから始まる。
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