散りゆく先に実るもの「げほっ……かは……!」
苦しげな音とともに口から出てくるには似合わない鮮やかで美しい花々が床に落ちる。うずくまっていたOVERはそれを忌々しげに見つめた。
「ちっ……」
この症状が出てからというもの、頻度は段々と増すばかりで苛立ちが募る。出てくる花はそのどれもが毒々しい赤色で、まるで自分から流れ出た血を見ているような、気分が悪くなるような代物だった。
「何で俺がこんな目に遭わなきゃならねぇんだ……」
そう呟くとまた新たな花びらが唇の端から零れ落ちた。
「OVER様……大丈夫ですか……?」
不意に声をかけられ振り向くと、そこにはルビーがいた。心配そうな顔でこちらを見ている。
「気にするな。お前には関係ない」
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