龍鬼八八華合戦*本作は「真庭語/西尾維新」のパロディです。
うへえ、と扉を開けたリーは悲鳴とも悲嘆とも付かない声を上げた。それが失言と気づいて口を抑えても、吐いた言葉は戻らない。
デスクと二人分の椅子だけが置かれている室内で、ホシグマはにこりと仕事向けの笑みを浮かべる。
「こんにちは。お久しぶりです、リー先生」
「いやあ、どうも、ご無沙汰してます――ホシグマさん」
口にこそ出さないもの、その瞳は雄弁に語っている。何故あなたがここにいるんですか、と。
一部のオペレーターは入職時に明らかに実力を秘匿している。総合テストはクリアさえすればいいというのが現在のロドスの方針だが、やり方を調整する必要があるのではないか――というのが、先日行われた会議で人事部が出した結論だった。その会議の発端となったのがリーであり、故に人事部が模索している新形式の入職試験、その試運転に召集されたのも、やはりリーだった。
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