別にアンタの為じゃない※数年後の未来設定
別今ではないけどそれっぽい話
「あのね、今先輩の彼氏が…つまり一般の人って意味ですけど、そういう人がおれのこと鬱陶しく思うのは、普通の事なんですよ」
珍しく喫茶店などに結花を呼び出した太一は、本日のコーヒーを前に語りかける。
「ボーダーの人が特別なんです。それも、ネイバーっていう目先の脅威に対して共に戦う連帯意識みたいなものがあってそうなってるだけで、特別あの人達が優しいからおれが受け入れられてる訳じゃないんですよ」
「そんな事ないわよ」
「そうなんですって」
太一はなんて事ないように言う。出会った頃の表情豊かで騒がしい、悪く言えば子供っぽい太一からは想像がつかないような落ち着いた声色で、まるで駄々っ子に言い聞かせるみたいに結花に語りかける。
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