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    亮(七右中心)

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    亮(七右中心)

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    if転生のまひなな←ゆうです。
    書きたいとこだけのやつ。

    物心ついた頃から、いわゆる前世の記憶というものが自分には存在していた。
    呪いの王をこの身に宿し、呪霊や呪詛師と戦った前世と、奇しくも同じ名前を持って生まれ、前世とはかけ離れた平和な毎日を送っている。
    中学校から東京に出て来た悠仁は、そこで伏黒恵や釘崎野薔薇と出会った。
    彼らも前世の記憶を持っており、初めて顔を合わせたときなどは、互いに記憶の有無を探るためか、酷くぎこちないやり取りをしたことを覚えている。
    他にも、恵を通じて五条悟とも会えた。
    彼は今生でも絶世の美貌を誇り、何とモデルをしているのだとか。
    抜群のスタイルとその美貌で海外のハイブランド専属モデルに抜擢され、今やその名を知らない者はいないのではと言わせるカリスマだった。
    東京に来てから前世で関わりのあった人間と再会し、悠仁は次第に期待を胸中で膨らませていた。
    悠仁が会いたいと切望する人間、目の前で命を落とした、呪術師の、否…人生の師とも言える人間。

    「ナナミン…。」

    放課後、ふらふらと街を歩いてはその姿を探す。
    前世と同じ姿とは限らないが、悠仁は例え七海建人が前世と異なる姿であったとしても、見付けられる自信があった。
    今の所、前世で自分より年上だった人間は今生でも同じであることが多い。
    だから悠仁は、七海を探す時は自分より大人の、殊更スーツを着た社会人の姿を追っていた。
    雑踏の中、記憶から色褪せない七海の姿を探す。
    ふと、角にあるベーカリーカフェに目を向けた時、身体の底で何かが目覚めるような、視界が一気に晴れるような、そんな感覚を覚えた。
    じっと目を凝らすと、ベーカリーカフェのテラス席に座る一人の男がやけに目立って見える。
    陽の光に照らされきらきらと光る金髪、きちっと撫でつけられたそれは7対3で分けられている。
    色白の肌に、手元の本へと視線を落とす眼は、日本人らしからぬ碧眼だ。
    グレーのスーツに身を包み、優雅に読者をする姿は、前世の七海建人と重なる。

    まさか、そんな、でも…

    悠仁の頭をまとまらない言葉が駆け巡る。
    違ったらどうしよう、と憶病になる一方で、身体中をざわざわと巡る興奮が、あの男が七海建人だと叫ぶ。
    ふらふらとベーカリーカフェの方へ歩みを進め、徐々に近付くその姿に、自然と悠仁の目に涙が浮かんだ。
    数メートル先にその姿がある、それだけで心臓がばくばくと音を立てる。
    ふと、男が本から視線を上げ、悠仁を見た。
    瞬間、悠仁の背を雷に打たれたかのような衝撃が走る。

    ナナミンだ…ナナミンだ!

    「ナナ…」

    「七三ー!」

    悠仁が男に声を掛けようと口を開いた直後、男の後方から軽薄な声が響いた。
    びく、と喉が震え、声が出せなくなる。
    男の肩を叩き、親しげに話し掛けた男は。

    「真人くん…」

    前世で七海建人を殺した、人の呪霊、真人だった。
    男は自分の肩に手を置いたまま笑顔で見下ろす相手をそう呼ぶと、少しうんざり、と言った表情で見上げている。
    自分から男の視線が外れ、悠仁はどうすることもできずに二人を見た。

    「その呼び方は辞めて下さいと何度も言っているはずですが。」

    「ごめんごめーん、待った?」

    「人の話を聞いて下さい。」

    よく知っている声が呆れを含んで気怠げに言う。
    自分が初めて七海をナナミンと呼んだ時のことが一気に脳裏に浮かび、目頭を熱くさせる。

    「今日は仕事終わったんだ?早いね。」

    「労働はクソですから、早く済ませられるのであればそれに越したことはありません。」

    ぱたん、と本を閉じて足元のビジネスバッグに入れると、男は席を立って伝票を持つ。
    その腕に絡みつくように擦り寄り、真人はこて、と首を傾げながら隣の男を見上げた。

    「ねぇ、今日はどうする?晩ごはん食べに行く?」

    「そうですねぇ…。」

    くっつく真人を邪険にすることなく、男は店内に足を進める。
    行ってしまう、どうしよう。
    逡巡する悠仁の前で、男に擦り寄っていた真人がふと振り返った。
    その顔に継ぎ接ぎの跡はない。
    色素の薄い水色の髪と、左右で異なる色の瞳。
    肩につくかつかないか、という長さの髪が、風に吹かれてさらさらと踊る。
    その目が悠仁を捉え、一瞬驚いたかのように瞠る。

    『こいつ、記憶あるのか…?』

    真人の反応に、悠仁はぐっと拳を握った。
    その反応を見た真人は、後ろで呼ぶ男に「すぐ行くー!」と返事をして、もう一度悠仁を見る。

    「虎杖だろ、お前。」

    「…!」

    そう言って、記憶の中と同じ邪悪な笑みを浮かべ、嘲笑った。
    咄嗟に反応できなかった悠仁を置いて、真人はさっさと踵を返し、先に行ってしまった男を追い掛ける。
    店内に消えて行くその姿を、悠仁は拳を握り締め、見つめていた。





    「何してたんですか、真人く…!」

    店の外で待っていた男が小言を言うのを聞き流しながら、真人は力いっぱい男を小路に引っ張り込む。
    いきなり腕を引かれ、男は真人の思うままに店の前から姿を消した。

    「ちょっ、なん…んっ」

    ビルの外壁に押し付けられ、突然唇を塞がれる。
    無遠慮に口内へ侵入する舌が、我が物顔で暴れまわる。
    抵抗の意を伝えるために真人の服を引っ張っても、より深く口付けられ、呼吸さえも奪われてしまい、息苦しさから生理的な涙が浮かんだ。
    酸素を取り込もうと口を開けば更に深く舌が差し込まれ、はふはふと呼吸を荒くさせる。

    「ふ、んっ、んう、ちょ、まひっ…ん」

    ぐちゅぐちゅと唾液を注がれ、掻き混ぜられ、息も絶え絶えになった頃、ようやく開放された。
    目許を赤く染めて抗議の視線を送れば、真人はひどく愉しそうにこちらを見ている。

    「ここ、外ですが…。」

    「ごめん、我慢できなくてさ。」

    ごはん、家で良いよね?
    男の耳元で囁きながら、真人は目を三日月形に歪ませて笑う。
    目の前の男…七海建人の、どちらの唾液か分からないもので濡れた唇を指で拭いながら、今日はいつもよりも優しく、深く、目の前の男を抱いてやろうと決めながら。
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    亮(七右中心)

    DONEワンライ五七【先生パロ】「五条くん」

    目の前の男、七海建人は高専の教師として自分の前に現れた。
    色素の薄い肌、金色の髪、翡翠の瞳は日本人らしからぬ外見だが、彼はれっきとした日本人で、四分の一ほど異国の血が流れているのだとか。
    周りは物珍しそうに七海を見ていたが、生憎と自分は七海の外見など、物珍しくも何ともなかった。
    自分も昔から、白に限りなく近い白銀の髪と、この六眼ゆえに日本人ばなれしていると評されてきた。
    外見がどうとか、美醜がどうとか、はっきり言ってどうでも良い。
    どんなに外見が整っていたところで、所詮は凡人、常識の範囲を超えることすらできない人間ばかりだ。
    外見が凡人であるなら、中身も同様。
    五条は、クソつまらなねぇ人間達の相手をするのなんてゴメンだ、とずっと思っていた。
    しかし、七海に会って、五条の考えに少し変化が表れた。






    呪術界にとって自分がいかに大きな力を持っているか幼い頃から知っていた五条は、それはそれは可愛げのない子どもであった。
    可愛げのない子どもは、いつしか元来持ち合わせていた能力を磨き、強化し、より洗練されたチカラへと練り上げていった。
    結果、子どもに逆らえる者はおらず、子 2118