煙草の意味 「王馬くん、煙草は身体に悪いって聞いたからゴン太やめてほしいよ…」
心配そうに眉を下げ瞳を揺らしゴン太はベランダで煙草を吸うオレにそう進言した。
「別にオレは平気だって。悪の総統として死ぬことはあっても病気とかで死ぬつもりは毛頭ないからさ!」
にしし、と冗談めかして言ったつもりだったがそんな言葉にゴン太の表情は明るくなんてなってくれやしない。
「…死ぬ、なんて言って欲しくない。それにゴン太は王馬くんに長生きしてほしいよ…それに、苦いんだよね?」
「まあ、美味しくはないよね。」
「じゃあ、なんでするの?」
「なんでって…」
ブラックコーヒーもそうだがたまにそうやって苦味のあるものを取りたくなる。そういうのを覚えたのは希望ヶ峰学園を卒業して大人の仲間入りを果たしたくらいの頃だったように感じる。何故かと思えば分からないがストレスが溜まった時、自分を傷つけようとしてしているような…そんな気がした。
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