「I love you.」ほど難しい言葉はない! 気持ちのいい晴天、いつもの制服に、色とりどりに詰められた弁当、学生の必需品の教科書等が詰められた学生鞄。いつもの登校風景だが、この日のオレはいつも以上に気合が入っていた。
それもそのはず、今日、オレは一世一代の大作戦をするのだから……。
▽
きっかけは、昨日の夜。オレも咲希もそれぞれ帰宅し、リビングでくつろいでいた時のある出来事だった。
「お兄ちゃんって、類さんに毎日好きって言っているの?」
「……は?」
可愛い妹からの恋人である類とのことについて突然聞かれ、思わず聞き返してしまう。
オレ、天馬司と同じショーユニットに所属する神代類は、先月付き合ったばかりの出来立てホヤホヤの恋人なのである。
咲希には付き合うまでも、付き合ってからも相談やのろけを聞いてもらっていたが、自分からオレたちのことを聞いてくることは初めてだった。
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