【まおしゅう2展示】素直に「好き」と言えない大魔道士の話「よう、邪魔するぞ」
マトリフは言葉と同時に扉に手をかける。そこは地底魔城のガンガディアの部屋だった。
ガンガディアは突然入ってきたマトリフに怒るでもなく、柔らかな笑顔で出迎えた。嬉しさを隠しもしないその表情に、マトリフも自然と笑みが浮かぶ。
「大魔道士」
ガンガディアは身を屈めてマトリフを抱きしめた。その大きく温かな身体に抱きしめられて満たされた気持ちになる。マトリフも腕を伸ばして大きなガンガディアの身体を抱き返した。
「散らかっていてすまない。調べ物をしていて」
ガンガディアの言葉通り、部屋は魔導書や地図などが散乱していた。それは生真面目で綺麗好きなガンガディアには珍しいことだった。
ガンガディアは身を屈めると本を拾い集めてた。マトリフも足元にあった地図を拾い上げる。
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