クーデレ その日マトリフはカールにいた。アバンやポップと一緒に丸テーブルを囲んでいる。久しぶりに会って食事でも、とのアバンの誘いで集まっていた。
振る舞われたアバンの手料理を食べ終えても話は続いた。気心知れた仲であるから、雑談から世界情勢についてまで話題は尽きない。
そうこうしているうちに日が暮れてきた。天気が良いからと開けられていたバルコニーから涼しい風が入ってくる。その窓へと、デストロールが静かに降り立った。
「げっ……」
その青い巨体を見てマトリフは嫌そうに口を曲げる。ガンガディアは巨体を折り曲げてバルコニーから室内へと入ってきた。
「歓談中にお邪魔してすまない。大魔道士を迎えにきた」
ガンガディアは礼儀正しく言ってアバンとポップを見た。しかしマトリフはガンガディアに背を向けると、カップに残った冷めた茶をちびちびと飲み始める。
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