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    kikkawa

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    kikkawa

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    虎猪!
    以前ツイッターで公開した『140文字で書くお題ったー』https://shindanmaker.com/375517?c=1
    「わかったか、あほ」で書いたものの原作というか長いバージョン。

    付き合ってる/いのり目線
    良いタイトルが浮かびません〜誰か名付けて〜

    ↓タップで続きが出ます。

    ##虎猪

    心配さっき見たばかりなのに、結局気になってまた横目でチラリと確認する。
    クラスメイト兼、部活仲間兼、恋人は…というと、寝ている間にクラスの女子達に髪を三つ編みにされていた。

    こしのある綺麗な黒髪。
    あの髪に触れていいのは自分だけなのに。

    そうだ。ほんとは髪だけじゃなくて。あの手だって指だって、バンダナだって。そう。全部。全部って言ったらほんと、全部だ。頭の先からつま先まで。

    そう考えたら なんだか悲しくなってきた。どうせ独り占めは叶わないのだ。もう微塵も目にうつしたくなくて、眠いフリをして机に突っ伏した。

    付き合うことを了承した時の、虎鉄の嬉しそうな顔を今でも思い出す。あの顔が、はしゃぐ声が、今でも自分のキモチを支えている。

    周りに恋人同士だってむやみやたらに触れ回らないようにって、自分から言ったことなのに、もう撤回したくて後悔している。

    普段は決して見せない、あんな必死な顔をして伝えてくれたのに。



    部室に行く前の廊下、虎鉄が独特の浮き足立ったような足取りでスッと近寄ってきた。


    「……猪里、なんか今日嫌なことあっTa?」

    「え」

    「なんか、眉間にシワ寄ってっからSa。」

    「あ、あぁ…」


    べつに気のせいなら、いいんだけど。と頬を掻きながら虎鉄は続けた。

    いつの間に───
    細かいところまで見てくれている。
    その事実に つい頬を緩ませてしまう。

    いかんいかんと口角を引き締めた。
    恋でゆるゆるになる自分の顔なんて、考えただけでゾッとする。

    「たいしたことじゃ…」

    …なんて、口にしたものの。

    あの三つ編み姿を思い出したら、なんだかちょっと意地悪してやりたくなった。

    「虎鉄、」
    「N?」


    なに?って発音しそうになってる口に、唇だけの軽いキスをした。


    「………あんま心配させんで欲しか。」


    目をまん丸にして ばかみたいな顔で見つめてくる。愛しい人。


    これでしばらくはオレのことだけ考えてろ。ばか。


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    Replies from the creator

    kikkawa

    CAN’T MAKE虎猪
    付き合ってる
    いのり目線
    キスまで
    らぶらぶだね!

    いのりちゃんて日々こてちゃんの優しさに支えられてると思う…お礼なんてこてちゃんはきっと求めてないけど、心から感謝を伝えられた時にまた2人の関係は新たなステージへと向かうのかもな〜いいね!虎猪ネクストステ〜〜ジ!!是非その新たなステージおじさんも行<投稿日:2025/02/13>

    ↓タップで続きが出ます。
    もう一回その日は ちょうどクラスの日直の日だった。
    放課後までに その日あったことを書いた学級日誌を担任に届けて、ようやく日直の仕事は終了となる。

    べつに、律儀に自分の用事を一緒に待つ必要なんて無いのに…。
    と いつも思うけど、わざわざ口で「待つよ 」とも言わず、さり気なく待ってくれることがとても嬉しかった。


    「意外と書くこと見つからねぇよな、そういうの…」

    毎日何かしらあったはずなのにさ、と虎鉄は続ける。本当にそうだ。先ほどから手に持ったペン先がむなしく空を切っている。日頃から思っているけど、改めて、本当に虎鉄は人の気持ちや空気を読むのがうまいなと思った。



    「……あの、Sa」


    前の席の椅子に こちらを向いて座っていた虎鉄が、なんだか落ち着かない様子で、さらに身を乗り出すようにして言った。
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