目の前の人すぐそこに死んだような目をしたスーツの男がいる。おそらく同業者にも見えなくもないが話を聞く限り、元職員のダーリンらしい。噂話でどんな罪も犯せば地獄に行き、そしてどんな罪を犯した人間でさえ、この地に蘇ってくると。そう何度も聞いたことだが顔先にいる人物を目の当たりにするとそれが本当のように感じてくる。そんでもってダーリンが自分の目線に気づいたのか私に声をかけてきた。
「お嬢ちゃん、どうかしたのか?」
「いや、先程の銃の腕前すごかったなと。」
「あぁ〜。それはありがとう。」
単調な言葉で誤魔化してその後いくつか話が続いてきた。その中で相手は本当は単なる好奇心で見ていたことも気づかずに。