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    Tora_sxd

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    Tora_sxd

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    タクトワ。タク√でeuphoria後の小話。

    ##タクトワ

    am 4:51。
    微かなシーツの擦れる音に意識が覚醒する。ほっとするような陽だまりの温かさにそっと瞳を開けた。視界に入るのは肌色だ。自分のではなく、タクの。身体に感じる重みと、絡まされた脚に抱き込まれているのだと知覚する。
    身動ぐもその拘束が取れる気配はない。わざわざ抜け出す気もないので、視線だけで室内を伺った。

    タクのマンションの寝室だ。タクが新神海に戻ってきてから、ほとんどタクの家で過ごしている。むらせクリニックの三階はアトリエと化し、気が向いたときに筆をとるために戻る位しか訪れることはない。
    タクを待っていたあの一年とは違い、もうタクだけを描くことはなくなった。しかし、彼と見たものや、彼を見て感じたものを描くことが増えた、と思う。それは写実に描くときもあれば、感覚に身を任せ形のないものもあった。いつだったか。レイがトワの絵を見たときに「今のトワの絵、とても素敵よ」と溢した。まるで胸に込み上げる何かを噛み締めるように絵を見ていたからよく覚えてる。


    遮光カーテンの裾から朝の光が滲み出ている。
    まだ起きるには早いだろう。外の喧騒は聞こえず、鳥の囀りがたまに聞こえる位の静かな朝だ。
    目の前の男は微かないびきを立てて惰眠を貪っている。
    精悍な顔付きは変わらず、しかし小さな皺が増えたようにも思える。短く切り揃えられた髪は自分の伸びた髪とは別の意味で離れていた時間を感じさせた。そのことに何か思うところはない、と言えば嘘になる。それでも待っていてくれと彼が言ったから。
    ふと悪戯に顔を寄せてタクの顎を舌先で触れた。適用な方向に生えた無精髭のざりっという感触が舌に刺激を与える。痛みではない擽ったさに瞳を細めた。ちろちろと舌を伸ばし一人戯れる。

    「ん、………トワ?」
    掠れた声が己の名を呼んだ。瞼がひくりと震え、ゆっくりと開かれていく。数回の瞬きの後、揺れていた焦点が結び付いたように己の視線と交わった。思いの外その顔が近かったのに驚いたのか目を見開いた後、頬がゆるゆると弛んで酷く幸せそうに微笑んだ。

    その顔を見ると胸が掴まれたように酷く痛む。息が詰まり、涙が滲みそうになった。ああ、タクといるとこんなことばかりだ。背筋がむず痒いような感覚や時に苦しいばかりの胸の痛みを覚える。それがなんなのか、答えを口に出すのはまだ怖い。


    「早いな。もう起きてたのか」
    「たまたま。まだ寝てろよ」
    「いや………」
    身体に感じていた重みが遠退く。惜しくて、タクが起き上がるのを阻止するように彼の背に腕を回した。傷痕だらけの身体をくっ付ければ頭上で溜め息が聞こえ、彼の身体から力が抜けてシーツが沈む。触れた温度は変わらず優しい。橙色の煙がゆっくりと己を包むのを感じた。途端に先程まで感じていなかった眠気が瞼を重くする。背を撫でられるかさついた大きな手のひらに胸中を安堵が満たしていく。

    「トワ」
    タクが己の名を呼ぶ。甘く囁く声は情欲とは別の感情が込められていた。その声を聞くと、むず痒くて火照るほどの羞恥が足先から旋毛までを駆けていく。過保護なまでに与えられる愛でいつか窒息してしまうのではないか。

    (それも、悪くない)
    ひっそりと笑って微睡みに堕ちていく。もうタクが傍にいるなら、怖いものなんてない。
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    Tora_sxd

    REHABILIタクトワ。タク√でeuphoria後の小話。am 4:51。
    微かなシーツの擦れる音に意識が覚醒する。ほっとするような陽だまりの温かさにそっと瞳を開けた。視界に入るのは肌色だ。自分のではなく、タクの。身体に感じる重みと、絡まされた脚に抱き込まれているのだと知覚する。
    身動ぐもその拘束が取れる気配はない。わざわざ抜け出す気もないので、視線だけで室内を伺った。

    タクのマンションの寝室だ。タクが新神海に戻ってきてから、ほとんどタクの家で過ごしている。むらせクリニックの三階はアトリエと化し、気が向いたときに筆をとるために戻る位しか訪れることはない。
    タクを待っていたあの一年とは違い、もうタクだけを描くことはなくなった。しかし、彼と見たものや、彼を見て感じたものを描くことが増えた、と思う。それは写実に描くときもあれば、感覚に身を任せ形のないものもあった。いつだったか。レイがトワの絵を見たときに「今のトワの絵、とても素敵よ」と溢した。まるで胸に込み上げる何かを噛み締めるように絵を見ていたからよく覚えてる。


    遮光カーテンの裾から朝の光が滲み出ている。
    まだ起きるには早いだろう。外の喧騒は聞こえず、鳥の囀りがたまに聞こえる位の静かな朝だ。 1356

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