チルチルと広大のデート今日はチルチルとデートの日。
いつもならわざと遅れて眉間にしわを寄せているのを見てケラケラするが
今日はどうやら俺の方が先についてしまった。
「ふっ、勝ったな」
「広大さん……?何に勝ってるんですか?」
「それは……えっと……あれだ!今日の俺は運がいいってことだよ!」
「そうですか」
「そうなんだよ!」
我ながら苦しい言い訳だと思う。
というかいつの間に後ろにいたんだ?
「珍しいね、チルチルが遅刻なんてさ」
「いえ、僕はちゃんと待ち合わせ時間には来ましたよ?」
「へぇー……」……おかしい。
絶対俺の方が先に着いていると思ったのだが……。
「まぁそんなことは置いといて行こう~」
「はい」……………… それから俺たちは服屋に行ったり本屋に行ったりと色々回った。
そして今は公園で休憩中だ。
「広大さん、飲み物買ってくるんでここで待っていてください」
「おぉ〜ありがとう〜」
数分後、チルチルからジュースを受け取った時に違和感を覚えた。
「ねぇチルチル……この紙袋なに?」
そう言って俺は袋を指差した。
「あぁこれはですね……その……明日のプレゼントですよ」
顔を赤らめて言うチルチルの姿に俺はドキドキしてしまった。
次の日になり、俺は緊張していた。
昨日の夕方チルチルと一緒に選んだプレゼントを持って彼の家に向かう。
(うぅ……心臓の音がすごい……)