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    きみどり

    @kimi_0812

    かきかけ途中のログ投下場所なので、完成したものはpixivに体裁整えてまとめています。
    詳しい事はプロカを見て下さい。
    TRPGは全部ワンクッション入れているので、閲覧は自己責任。
    リンク一覧:https://lit.link/gycw13

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    きみどり

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    ぼうさん(@877boh)の凛潔プロポーズの日のラフ見てテンションめっちゃ上がってぶん投げたSSです。
    監獄時代から数年経った頃っていう、ふわっとしたイメージ。
    元ネタにした、ぼうさんの凛潔漫画はこっち。
    https://privatter.net/i/6724908

    プロポーズの日(凛潔)――久しぶりに夏祭り行かねー? 丁度片付けしててさ、浴衣出てきたんだ

     そう言って三色のストライプの浴衣を潔は差し出してくる。それを受け取ると、今度は懐かしくね?と言いながら、瞳と同じ紺色の浴衣を広げ見せてくる。
     浮かれた顔しやがって……と思ったが、それが音になることは無かった。久しぶりに互いの休暇が重なった、そんな日くらい浮かれたっていいだろう。

    ***

     カラン、と下駄を鳴らしながら前を歩く潔を見る。既にあれこれ屋台で好き勝手飲み食いして、あとはメインイベントの花火を待つだけになった。少し歩く歩幅を狭め、潔が隣を歩く。
    「やっぱ金魚、一匹か二匹持って帰っても良かったんじゃね? 凛がめっちゃデカいのすくってたのもったいねぇ〜!」
    「誰が世話すんだよ。お互い半分以上海外飛び回ってんのに」
    「はは、だよなぁ」
     笑って、また潔は前を歩く。どこまで行くんだとその背中に声を掛けると、花火が綺麗に見えるとこ、としか返ってこない。
     花火大会を告げるアナウンスが聞こえてくるが、距離が遠いからなのか言葉として聞き取ることは出来なかった。

    「うし、着いたー!」
    「……何もねぇ」
     目的地を告げず歩き続けた場所は、花火大会で屋台ひしめく河川敷の川を挟んだ反対側。
    「遮るもの無くて、めっちゃキレーに見えるから」
     得意げに話す潔の顔が、花火によって照らされる。あぁ、綺麗だな。花火の音に紛れ込ませる様に呟いたのに、潔の耳には届いていたらしく、だろ?と返された。花火じゃねーよ、クソ。

     花火が打ち上がり始めた頃から徐々に空は藍色に染まり、夜が降りてくる。花火の破裂音が響き渡る中、隣に居た潔が二歩、三歩と足を踏み出し、そして振り返る。
    「俺さ……、実は凛と会った時から」
     打ち上げ花火の音よりも何よりも五月蝿いのは、自分の心臓の音だった。
    「最初から、ずっと好きだったみたい」
     過去形の言葉に息が詰まる。目の前に佇む潔が夏の夜空に咲く、一瞬の花火のような儚い存在に見えてきて、繋ぎ止める様に手を伸ばす。
    「結婚しよーよ」
     伸ばした手を握り返した潔の手は、暖かかった。
    「凛」
    「――は、最初からそう言ってんだろ、バカ」

     その手の熱を確かめたくて、俺はそのまま潔の身体を抱き締めた。
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