プロポーズの日(凛潔)――久しぶりに夏祭り行かねー? 丁度片付けしててさ、浴衣出てきたんだ
そう言って三色のストライプの浴衣を潔は差し出してくる。それを受け取ると、今度は懐かしくね?と言いながら、瞳と同じ紺色の浴衣を広げ見せてくる。
浮かれた顔しやがって……と思ったが、それが音になることは無かった。久しぶりに互いの休暇が重なった、そんな日くらい浮かれたっていいだろう。
***
カラン、と下駄を鳴らしながら前を歩く潔を見る。既にあれこれ屋台で好き勝手飲み食いして、あとはメインイベントの花火を待つだけになった。少し歩く歩幅を狭め、潔が隣を歩く。
「やっぱ金魚、一匹か二匹持って帰っても良かったんじゃね? 凛がめっちゃデカいのすくってたのもったいねぇ〜!」
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