100日後にくっつくいちじろ12日目
「今日勝ったらデカい大会出られるんだってさ」
今朝、そう言って白米を二杯も平らげた二郎は現在、広いコートでサッカーボールを追いかけ走り回っている。同級生、保護者が敵味方入り混じって観客席で選手達に激を飛ばしている中に、一郎と三郎の姿もあった。ご明察、サッカーのピンチヒッター依頼である。
「キャーッ、二郎君!頑張ってー!」
「山田先輩、がんばってー!」
二人からちょっと離れたところにいる女の子達の集団。二郎がお目当てらしい。苦笑いしながら「すげえ人気だな、あいつ」と一郎が呟くと「あの阿呆の何がいいんだか…」と冷めた表情で三郎が溜息をついた。
二郎は直前で怪我をしてベンチにいる同級生の代わりに、得意とするポジションとは異なる位置であったが、非常に真剣に試合に取り組んでいた。試合は既に佳境も佳境で、残り時間は僅か。現在、1-1の同点で、残り時間でどちらが得点を決めるか。そんな状態であった。
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