巡る星のその後に 1「よっ、と」
止まったエレベーターから螺旋を描くようにゆったりと上へ飛んでいくマンタに乗り換え、タイミングを計って飛び降りる。
書庫最上階、三影くんに連れられてキャンドル集めとともに光の子を回収していた。祈りの台座付近にいる光の子に触れ、いつものように翼の欠片に変化したものを自身のコアに収める。おそらくこれで各エリアに散らばったすべての欠片を回収できただろう。
(そろそろあそこに行く頃合いか……)
星の子として生まれ落ちた以上果たさなければならない使命とはいえ、あの痛みや喪失感はあまり味わいたくないし、既に数えきれないほど経験しているが慣れるようなものではない。空から絶え間なく降り続ける赤い石の光景を思い出して手が震えた。
641