もっと強く せっかく学校で色々習ったのだから、一度くらい野生のポケモンとバトルをさせてやりたい。そう思って、たった一羽の相棒と共にテーブルシティの外に繰り出したのが間違いだったのかもしれない。
まだバトルに慣れていない相棒の相手に選んだ、その小さなエスパータイプのポケモンは、そのか弱げな見た目に反して恐ろしい強さを持っていた。
ヒラヒナのねんりきが、容赦なくアオキのムックルにぶつかる。か細い悲鳴をあげた相棒の体がふらりと傾いた。もう戦闘は不可能だろう。
アカデミーの同級生とするバトルなら、これで決着がつく。しかし、ヒラヒナはまた攻撃のために身を構え、倒れたムックルの側へ接近した。
「……っ、ムックル!」
少年は叫んで、傷ついたポケモンの元に駆け寄った。力の抜けた相棒の体を、守るように腕に抱く。
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