同じモノ「ただおみ、俺は天国へと行けると思うか?」
グスタフは忠臣を腕の中に抱きしめながらそっと問う。忠臣は気だるげに目をグスタフに向ける。
「いきなりどうしたのだ…」
「嫌…別に気にするな…」
ふい…とグスタフは横を向きながら忠臣の腰を撫でる。忠臣はその手を叩きながらグスタフの頬を掴む。
「何故天国に執着する?」
「…」
「何故だ」
グスタフは横を向きながらぽつりと呟く。
「…俺は…沢山敵を…人を殺してきた」
死んだ後にお前と共に逝く事が出来るのか、不安だった。
それだけグスタフは言うと忠臣を閉じ込めるように更に力を込め忠臣を抱きしめる。
「ならば、我と”同じ”モノになるか?」
「同じ…モノ?」
グスタフは首を傾げながら忠臣を見やる。忠臣は仄暗い笑みを浮かべながらグスタフの頬に手をやる。
「死という概念を無くせばよかろう?」
うっそりと忠臣は笑ってグスタフに口付ける。
グスタフはぱちりと目を瞬くとふっと笑みを浮かべた。
「それもいいかもな」
それだけ言って目を閉じたグスタフが次の日、目が覚めた時には忠臣と同じ様に手足に目が着いていて絶叫し忠臣はクスリと笑っていた。