冷めたチキンを温めますか?②【レムマツ】「だ〜か〜ら〜、この際唾液でも良いんでサンプルをですねぇ」
「嫌に決まってんだろ。出てけ」
レムが親友(と勝手に思っている)の吸血鬼の屋敷を訪れると、なにやら来客の対応をしているようだった。
吸血鬼……万波と言い争いをしている男は、異様な出で立ちをしていた。顔に包帯を巻いていて、その包帯の隙間から覗く目は丸くギョロッとしていて、耳まで裂けた大きな口にギザギザの歯をしている。白衣を纏ったその身体はレムよりもブクブク醜く太っていて、全体的に清潔感が無いというか汚らしい。白衣のところどころに謎の液体のシミがついてて尚更だ。
レムがその男の異様さに驚いていると、その男はレムを見やり失礼にもチッと舌打ちした。
「いいところだったのに、空気読んでくださいよ……じゃあ、俺はこれで。でもまだ諦めたわけじゃねぇですからね?後日また来ますんで」
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