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    aoyamachan__

    @aoyamachan__

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    歩/零

    TRAINING洋三ワンドロワンライ 5/5「かさぶた/火をつける」

    ※洋→←三
    ※三に自分は相応しくないと思っている洋の独白
    ※三はほぼ出てきません
    ※流血表現あり
    建物と建物の間の路地、喧嘩するにはうってつけのような場所に壁に寄りかかって座り込んでいる。周囲はここで誰かが暴れましたよと言わんばかりの散らかりようで、逃げて行ったやつらの痕跡といえば勝ったもののちょっと立てそうにない自分と、血の付いた刃物だけになっている。
    無意識に手で押さえている脇腹が熱い。ガキの喧嘩で刃物なんか出してくるんじゃねえっつんだよ。

    別に調子が悪いわけではなかった。いやうそだ、少しぼーっとはしていた。気温とか空気感とか色々とあまりにもあの日と似通っていて、望んでもいないのに壊れたビデオテープのように何度も彼の顔を繰り返し思い出していた。
    注意力が散漫になっていたのだろう、ぶつかったぶつかってないのありがちな諍いは、ヒートアップする前に相手の数人のうちの一人から上がった「お前水戸だろ」の声を発端にあっさり殴り合いに切り替わった。どこで買ったか覚えていない恨み――というよりただの逆恨みから始まった小競り合いは結果としてどいつも大した事はなかったが、粘着そうな雰囲気をした一人が刃物を持ち出したことにより空気が一変した。
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    さかまち

    PROGRESS11/23スパーク『BURST OUT SP2023』にて発行予定のリョ三小説サンプルです!!!!
    令和/27歳×28歳あたりを想定/プロ所属設定、高2から重めの片思いを続けていたリョによるブチギレ告白大ハッピーエンド本です(年齢制限有)
    11/23新刊サンプル「お疲れ様です、今日はよろしくお願いします!」
     白い壁紙にホワイトボードと大きな窓のあるシンプルな部屋に通されてすぐ、パイプ椅子に腰掛けていた男が音を立てて立ち上がり、頭を下げた。あまりの勢いの良さに気圧されたまま挨拶を返すと、背後で機材調整を行っているスタッフは彼の声の大きさに驚きと呆れたような笑い声をこぼし、今回の進行を務める記者も同じく笑みを浮かべながら荷物の置き場所と、彼の隣に用意してある椅子に座るよう促してくれる。
    「わざわざご足労いただき、有難うございます」
    「いや、そんな。ウチからそんなに離れてないですし」
     日本のリーグ、特に首都圏で活動している選手同士の対談は珍しくない。大体は試合前に少し時間を作ることが多いが、今回は双方の事情で日程がずれたのだ。チーム練習と個人練習、昼食を済ませてから在来線に乗り、横浜からここまでおよそ一時間弱。バスを出すとも言われたが、集団移動でもないからと断った。
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