常闇の国(白雫の谷)関連白雫の谷の昔話
昔々、眠り谷が眠り谷と呼ばれるようになった頃…

そのとある霧深い幽谷は、罪人が落とされる場所だった。谷の上から落とされるのが最も重い刑であったが、落とされ落下死させるのが本来の意図ではない。谷のそこは霧深く、その霧にには毒が含まれていた。

その谷には過去に罪を犯した者たちが住んでいた。
谷の上には行けず、他の世界を見ることができず、日中は毒素の強い霧のために家の中にいることを余儀なくされ、人々は自ずと夜にのみ生きるようになった。
ある日ひとつの苗木と白い魔女が谷に降りてきた。
人が滑り落ちることはあっても自ら降りてくることはなかったため人々はとても驚いた。
魔女は苗木を植え、魔力を与えるとその木はみるみる育ち、立派な大樹となった。大樹は毒素を吸い込み害のない霧に変えることができた。狭い谷底の霧はすぐに吸い込まれ、人々に昼の世界がもたらされた。
白い魔女は木を見守り続けていたがその後に谷底の住人と結ばれ、生まれた娘がその役割を引き継ぐ様になった。
以来その大樹は神木として称えられるようになり、それを見守る白い魔女は白雫の魔女として、そしてこの国の姫として尊い存在となった。


正史
・谷に落とされたのは罪人だけではなかった。
異形のもの、つまりモンスターもその中に混じっていた。異質なものを認めない人々によってありもしない罪を着せられ落とされたものも少なくなかった。

・白雫の魔女と彼は恋に落ちていたが、白い魔女の周囲は才能のある魔女と彼との関係を認めていなかった。魔女の周囲の人々は2人を引き裂くため彼に罪を被せ谷底に突き落とした。
しかし白雫の魔女は諦めるどころか愛する人のために周囲を見限り、どうにかして助けようとして植物と自分の魔力を使ってあの地に降りて土地ごと救った。
ーただその神木には白雫の魔女の執念と愛が込められていた。絶対に枯れない意志が神木に宿りやがて魔力だけでなく魔女ごと取り込むようになってしまった。


現在
神木の前に塔が建てられ、そこに白雫の魔女とその世継ぎが住まわされてる。
魔女は子供を産んである程度育てた後、文字通りその身を神木に捧げることとなる。神木は根の部分を使い魔女を生きながら取り込む為、神木と魔女が一体となった異様な光景ができる。
身を捧げる祭壇は塔の最下層にあり簡単には見つけることができないとされている。
身を捧げた後魔女は寿命まで神木に魔力を奪われ続ける。その間に次代の魔女は成長し次の世継ぎを産まなければならない。産んだ後は先代の魔女の寿命が尽きるまでは子供と過ごすことが出来るが寿命がくれば問答無用で祭壇に向かうことになる。
ちなみに魔女の名前は全員nourish(与える、養う、育てるの意)

常闇の国
以前は人間もいたが過酷な環境に適した結果モンスターが増えてしまった国。
先祖が訳ありな為、日光に対し畏れの感情を抱くものも多い。中には先祖の呪いが受け継がれ日光に当たるだけで危険な種族もいる。貴重な鉱山資源があるため、外界から訪れる者もここ数年で増え、興味本位で一緒に外界に出た後それっきりのものもいる。
人の出入りもそれなりに合ったが、神木に魔女がいない状況が１年続き毒霧が漂う危険な場所となり現在は入国禁止となっている。


ナリッシュに使者を送ったのは外界に出た常闇の国の出身者とその番の魔女による魔法であったが、ナリッシュのギフトの発動を確認し引き下がった。