へとへと騎兵隊長とさらさら茶漬け閉店間際のエンジェルズシェア。
そろそろと片づけをしているところに、見慣れた影がドアを開け、カウンターにへたり込む。
「はぁ。疲れたぜ。」
「大丈夫?ガイア。」
「昼からの仕事が、ちょっとな。書類仕事に陳情対応…いろいろとあって…もう。」
「何か食べる?晩御飯。」
「あぁ。悪い。たくさん食べられそうにないんだ。とりあえず一杯…」
この酒場のバーテンダーであるディルックから無言で差し出される、ブドウジュース。
「おいおい」
「その状態で、飲むのは良くない。」
しぶしぶ、出されたブドウジュースに口をつける。
「ん~。ガイア、大丈夫かな?」
「消化に良い、温かいものを食べさせるのが良いだろう。空、頼めるか?」
「うん。放浪者に習ったやつ、それにしよう。まだ、賄いでお昼に炊いたお鍋のごはんがあったはず。」
「ごはんあるぞー。空。」
「ウナギか魚の肉あったっけ」
「魚の肉あるぞー。焼いといたやつ」
お湯を沸かして。海草で軽くだしをとる。
ざるに入れたごはんを軽く洗う。
最近、いろいろあって、放浪者にも教わるようになった。放浪者が、料理が出来るのにびっくりしたけど。
「あの草神、ナツメヤシキャンディ以外何も食べずに夕方まで知識の虫になることがあるんだ。その癖、嫌いなものが目立つ。さすがに倒れられても困るから、こうやって食べさせるのさ。」
「何がだめなの?」
「イカ、タコ、カニ。海鮮がダメ。仕方ないから、魚の塩焼きや梅干しに変えてやってる。こうしてやると。ふらふらやってきて、平らげて、それから寝る。」