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    oda_r2111

    雑多に
    メインジャンルは一応FO4、ポケモン、JIN-ROH、今僕あたり

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    oda_r2111

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    カザぴとの馴れ初めこんなかなーという設定を捏ね。

    サイパン世界のへびくん毎日の変わりない仕事を終え、店を出る。
    いつもの道を通り、いつものボロ小屋に帰る。
    美味くもない栄養剤を食い、薬を打ち、寝るだけの生活。
    変化があるとすれば、帰り道にどんな奴を襲うか…もしくは、襲われるか。

    家に、血筋に縛られる生活が嫌で、自由を求めてやってきたナイトシティだったが、そこは俺を歓迎してくれなかった。
    身の振り方も知らない俺はチンピラに襲われ、ボロボロになりながらもなんとか逃げ遂せ、偶然見つけたリパードクで治療を受けた。
    幸いにも襲われた時の傷はすべて元に戻った。
    ドクは「生身で平穏な生活を送れるほどこの街は優しくない」と、俺にいくつかの戦闘用インプラントを入れてくれた。同意なんてない。傷の治療のついでで勝手に処置をされた。
    それで、俺が家からくすねてきた金はほぼ無くなったし、インプラントの影響による狂人化を抑制するための薬も定期投与が必要となった。
    インプラントを抜けば、そこらのチンピラに容易く殺されてしまう。身を護るための力と己の人格を持ち続けるためには投薬が不可欠。つまり、俺はこの悪徳医者の元に来てしまったがばかりに、一生こいつの金ヅルとして縛られなければならなくなったのだ。

    容姿に自信のあった俺は小さなストリップ劇場で踊り子を始めたものの、収入は心許なかった。そうなれば「この街ならでは」の小遣い稼ぎをするほか無いが、廃墟にたむろするギャングを相手にするほど強くはないので、好色そうな通行人を男女問わず路地裏に連れ込みハッキングで気絶させて所持金を奪った。それでも、生活費と薬代を工面するのがやっとで、運良く金が貯まれば人体改造やタトゥーに費やしていたので、自由に楽しく暮らすという夢はいつまでも叶いそうになかった。

    ある日の夜、俺は一人の男をひっかけて路地裏に連れ込んだ。色黒で中東系の顔立ちをしていて、カモにするだけなのが少し惜しい容姿だったが、そのぶん色仕掛けの演技には熱が入った。
    男の顔に唇を寄せる。
    俺の瞳に映り込んだ男の目から火花が散り、膝から崩れ落ちる──はずだった。
    俺のハッキングはブロックされ、慌てて身を離そうとするが、男に腰を抱かれてしまい動けない。
    まずい、こいつネットランナーか。
    いっそこのまま最後まで演技を続ければ良かったのに、初めての失敗に動揺し、明らかに手の内を知られてしまっただろうことを後悔した。
    「俺ならこんな場所じゃなくホテルに連れ込んで、もっと平和的に金を稼ぐがな」
    「た、頼む、NCPDには…」
    「俺だって事情聴取されるのは面倒臭い」
    言いながら、男は険しい顔で俺の顔や身体を観察する。
    「………あんた、この近くでストリッパーやってる奴か?」
    背筋が凍った。
    あんな小さい店のことを知ってることもそうだし、何より俺は仕事中は仮面で目を隠している。なのに、
    「どうして──」
    「店先のホログラムで見たことがあってな、少し気になってたんだ。入りづらい雰囲気の店だから現物を見たことはないが」

    ……なんだこの男。俺に興味があるのか?
    うまくいけば助かる、それどころか人生が変わる糸口になるかもしれないと感じ、賭けに出た。
    「俺の踊りに興味があるなら、個人的に見るのはどうだ?なんなら毎日だってあんたの家で踊ってもいい。好きなだけ触ってもいいぞ」
    「何言って…」
    啞然としている男の胸に顔を埋め、俺は身の上話を続けた。男は何も言わなかったが、俺が話を終えるより先に「分かった。もういい」と俺を振り払った。
    「今日は何も聞かなかったことにする。次に会うときは客として来てくれ。俺の奢りにしてやる」
    そう言って名刺を渡される。名前はカザム。職場は──高級ドール店じゃないか、これ。

    数日後、俺は期待と恐怖で心臓を高鳴らせながら紹介された店へと赴いた。
    一通りの「接客」を終えたあとで、彼から同居の誘いを受けるとは、そのときは思ってもみなかった───
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