星を巡る①②星を巡る①
僕たちの会社、ジェターク・ヘビー・マシーナリーは無くなった。
正確に言うと兄さんと僕とで終わりにした。
会社を閉めるにあたって、社員が生活していけるように斡旋して、まぁ様々な問題があったから終わりにするまで数年を要したけど。
それも乗り越えて、僕たちは今、地球にいる。
ハァ、と息を吐くと白く浮かんで雲みたいに見える。
物資を運ぶために改造されたMSのコクピットにいても、キンとした空気に肌が震えてずり落ちた毛布をかけ直した。
寒さや暑さという感覚に慣れるまでは大変だった。
完璧な空調設備のフロントに甘やかされた僕たちは、簡単に体調を崩したし、無茶をし続けた兄さんの自律神経もだいぶ弱っていたから、僕よりも兄さんの方がよく熱を出していた。
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