獅子神さんが村雨先生の食事量に疑問を抱く話 村雨礼二はよく食べる。あの細い体のどこに入っているのか不思議なほど、肉をパクつきスイーツをほおばる。自分の手料理を食べて、時々「悪くない」(これは、かなり気に入ったという意味だ)と言われるととてもうれしい。ただ、自分で作るからわかるのだが、明らかに摂取カロリーと消費カロリーが見合わないのだ。村雨が運動するところはちょっと想像できない。ふと、以前テレビで特集されていた話を思い出し、ダイニングで食後のコーヒーを飲んでいる本人に話しかけた。
「お前、隠れて吐いたりしてないよな?」
マヌケめ、という顔で見返された。
「なぜわざわざ直接尋ねる?その程度のことは観察しただけでわかる。吐きダコ、胃酸の臭い、あなたレベルでも気づけるポイントは多くある」
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