Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    ミ ミ ノ

    ジャンルもカプもごちゃごちゃ
    2023-11-15 xに投稿した作品の移動が完了?

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 91

    ミ ミ ノ

    ☆quiet follow

    最ウル?(表記が分からない)の始まりみたいなもの 短い

    恐魚の群れとの戦闘を終え、ウルピアヌスと最後の騎士はロシナンテに乗り、再び海を移動するはずだった。
    しかし、ロシナンテに乗る前にふとウルピアヌスを見た最後の騎士は、そのまま動きを止めた。
    「どうした?」
    とウルピアヌスが問う。
    ロシナンテも不思議そうな様子で自分の主人を見ている。
    最後の騎士は答えず、ウルピアヌスへと近づく。
    「……?」
    そして、ウルピアヌスの目の前まで来ると、武器を持っていない左手を伸ばし―波や海の生き物に槍を振るう時とは全く逆の、ごくごく軽い力で、ウルピアヌスの右頬を撫でた。
    「……!?」
    ウルピアヌスは予想外の最後の騎士の行動に驚きつつ、自分の頬に手を伸ばす。
    そして、最後の騎士がやったように指を滑らせると、わずかに感触の違うところがあった。
    そのまま手を顔の前へと持ってきて見てみれば、わずかに赤いものがついていた。
    「お前は……これを見ていたのか?」
    最後の騎士は答えない。
    兜で最後の騎士がどのような表情をしているのかも分からない。
    そもそも、兜の下に感情を読み取れるような、ヒトの顔があるかどうかも分からない。
    常ならば冷静に、そして瞬時に目の前の物事を分析し、判断するウルピアヌスの頭脳も、今ばかりは何の結論も出せそうにない。
    これだけの傷ではウルピアヌスになんの影響もないことを、最後の騎士も知っているはずだ。
    事実、今の今までこの傷にウルピアヌスは気づいていなかった。
    それに、最後の騎士が、波と戦うこと―あとは、相棒のロシナンテのこともだろうか―以外のことに関心があるとはウルピアヌスは思っていなかった。
    最後の騎士が行動する理由は常に単純で、海に関するものだけだ。
    シーボーンでも人間でもなくなったソレに、残ったものは海への執着だけなのだ。
    そうウルピアヌスは思っていた。
    今までの最後の騎士の行動も、それを裏付けるようなものだった。
    しかし、先ほどは―
    やはり、結論は出ない。
    だが、混乱し続けるウルピアヌスを放って、最後の騎士はロシナンテに乗ってしまう。
    浜辺に置いていかれるわけにもいかないので、ウルピアヌスもとりあえずロシナンテへとまたがる。
    そして、
    「……ロシナンテ、お前の主人は何を考えている?」
    と小さな声で呟いた。
    最後の騎士もロシナンテも何も言わなかったが、
    「……っ!」
    シーボーンがばしん、と尾びれでウルピアヌスの背中を叩いた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works