チョコレートモヒート/みゆこう 二月 都内———。
「今日は久々に飲んだわー」
大手チェーン店の居酒屋の中から出た絋平は熱くなった頬に夜風に当たって、その心地よさにそっと目を閉じた。
「あーー、風が気持ちいいー」
普段は何を仕出かすか分からないフウライ四人のストッパー役となり、シェアハウスでは酒を飲まないようにしている絋平だが、この日は深幸と二人で酒を交えて音楽のこと、それ以外のことを話しながら時間を絋平なりに楽しんでいた。
「少しは息抜きできたか?」
「おかげさまで」
「けど早坂、思っていたより酒強いのな。もし酔ったらおにーさんが看病してあげようと思ってたけど、そんな心配全くなかったし」
「おにーさん、って。同い年だし俺のが誕生日早いっての」
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