おはよう、神様 やあ、こんにちは。もう春も近いし、暖かくて気持ちがいいね。あ、先生も少し温い。
調子はどう? 昨日は雨だったけど大丈夫だった? 先生、財布だけじゃなくて傘も忘れちゃいそうだからさ〜。あ、俺の方は無事大学も決まったよ。しかも、璃月のね! こう見えて案外勉強もできるから海外特待枠でとってもらったんだけど。まだまだ下の兄弟もいるし、親にも迷惑かけられないし。春から晴れて一人暮らしだよ。説得するのは骨が折れたけど、ちょーっと古風だけど璃月語は結構わかるし、箸も使えるってなんとか説き伏せたんだ。ん、さて。誰のせいだっけかな。
「……なーんて、ね。まあ聞いてないだろうけど」
——湿った草原に腰かけて、供え物代わりのモラミートを口に運ぶ。ほんの少し、粉のついた指でアヤックスは日に照らされた石像の裾を撫でた。
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