卵の中は安全だもの。恋をした。
その人はナックルシティのコンビニで働いている、いつも笑顔で接客してくれるかっこいいお兄さん。手を握って目を見て小銭を渡してくれるその姿に恋をしたのだ。
「はぁ〜。好きだなぁ」
「そんなに好きなの?オレさまも見に行っていい?」
「うん!キバナでも惚れちゃうよ!見に行こ!」
手を繋いでキバナとコンビニまで歩く。もう子供じゃないんだからって言ってるのにやめてくれない。でもキバナの手は大きくて暖かいから好き。
コンビニに着いてあの店員さんが居た。スイーツとカップドリンクを取ってレジに並ぼうとすると、
「オレさまが奢ってやるから外から愛しのカレ見てなよ」
ってキバナが言うからお言葉に甘えて外からカレの接客ぶりを見ていた。キバナの番になってお兄さんがにこやかに商品をレジに通す。一瞬固まった気がするけど気の所為かな。
「ただいま」
「おかえり〜!すごく良さそうな人でしょ!あ〜、素敵・・・」
ガサガサと袋を漁るとお菓子とお酒、私のスイーツ、そして
「あれ?何これ」
0.01と書いてある箱。キバナって煙草吸ったっけ。
「ん〜?タバコタバコ。0.01っていう軽いヤツ吸ってんの」
「へぇ、そうなの?」
カップドリンクにストローを刺して飲みながらキバナと手を繋いで家に帰る。私がテレビを見ている間キバナはずっと鼻歌を歌いながらスマホを弄っていた。
「キバナ、わたし先にシャワー浴びるよ」
「一緒に入ろうぜ♡」
「え〜?」
「もう何回もオマエの裸見てるんだからいいだろ」
と押し切られ一緒にお風呂に入っていつも通りキバナに髪を乾かしてもらう。
「どうやって告白しよう・・・。わたし魅力ないからなぁ・・・。顔も良くないし胸も大きくない・・・」
「そーお?オレさまは好きだぜ♡」
ベッドに押し倒される。友達同士でセックスするのも今の時代は普通らしいけど、何だかわたしは慣れない。セックスフレンドっていうらしいけどみんなもそういう友達いるのかな。わたしはジムチャレンジの時にSNSで虐められたのが原因で引きこもっているせいで友達がキバナしかいないからわからない。普通なのか調べたいけど、キバナが友達じゃなくなったらわたしにはもう何も残らない。
誰かと付き合うならセックスは覚えておいた方がいいとジムリーダーのキバナが言うのだから間違いはないのだろう。そんな事を考えていたらキバナのモノが奥まで入ってきた。喘ぐとキバナは嬉しそうにわたしの胸元と首筋に痕を残した。
次の日、SNSを見たらバイトテロの流出が話題になっていてあのお兄さんが炎上していた。
「キバナぁ・・・また失恋しちゃった・・・」
「またかよぉ。オレさまにしとけって〜」
「やだよぉ。キバナはスーパースターだもん・・・」
「オレさま気にしないんだけどなあ。そっかぁ、まだまだ先は長そーかぁ」
今日もキバナの腕の中でわたしは転がっていた。