サンプルにするやつその1 青い薔薇をメインに、小さなかすみ草が沢山あしらわれたブーケが空を舞った。
群青に溶けて何処かへ行ってしまいそうなくらいの深い青は物理法則の理のとおり、綺麗に宙から地へと落ち……。
「ほいっ、とー。アハ、ごめーん取っちゃった」
身長一九〇センチメートルは優に超えているフロイドはニタリと鋸のような歯を見せ、意地の悪そうな笑みを浮かべる。
挙式の最後のイベント、ブーケトス。
元の世界でも結婚式の定番ではあったけれど、ここツイステッドワンダーランドでは老若男女関係なくみんなで参加する。
ブーケトスは陸海関係無くやる行事で、最後まで式を見届けてくれたみんなへの幸せのお裾分けでもあるのだが……こちらの世界でも"ブーケを手にした者は幸せになれる"とか"次に結婚できる"等のジンクスはあるようで、みんな花束を受け取ろうとしたのだがフロイドがその高身長を生かしてナイスキャッチと手で取ってしまった。
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