木春菊「綺月!外めちゃくちゃ大雪やで!」
「ほんとやぁ!綺麗…!」
姉さんと2人で並んで窓の外を見ている昔の自分の姿が見える。まだ幼い頃の私たちだ。
「なぁ姉ちゃん、私お外で遊びたい!」
「えぇ~?あかんよ、勝手に外出たら母さんに叱られるで?」
「でも~…折角いっぱい雪降っとるのに…」
自分でも変化が分かるくらい、今の私と昔の私は違う。あの頃の私は無邪気だったな。自分の欲に素直で、よく我儘を言って姉さんや両親に迷惑をかけていた。
「も~綺月は我儘やなぁ。よぉし待っとって!姉ちゃん母さん達もう寝とるか確認して来るわ!」
姉さんは自分も本当は外に出たいのを隠しきれていない表情で、足音を忍ばせながら母さんたちの寝室を覗きに行った。そうだ…この日のことは今でも鮮明に覚えている。この後確か、遊ぶとしても庭までにしよう、って言いながら道路の方まで出て…
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