劣等生と呼ばれる割には……彼女は成績が良い。
「リリカ、補習にならないかな?」
「……授業点さえ稼げば大丈夫ですよ。」
自分は途中からなので学校生活の彼女を見ていないから分からないが、まだ新米教師である自分が生徒と仲良くしていいのかなって思いながら、リリカと言う子は色々と話しかけてくれる。
「……あ、リリカさん。
コレ、余ったんですが食べますか?」
ソーンにあげた残り物のクッキーを彼女に渡したら、彼女は目を輝かかせながら
「リリカに
ありがとう」
と無邪気に笑うのを見たら、彼女を劣等生だと笑う人を少し疑いたくなる。
教育実習中はあまり生徒には関わらないようにしてはいたが、彼女は料理の話が好きで色々レシピを共有しあっていた。