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    IokkQe3

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    IokkQe3

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    ずっと……一緒 予期せぬエラーにホームが襲撃され、まだ出来たばかりのホームの為ヒーローは俺とソーン、ルチアーノ殿の3人しか居なかった。
     
     しかしルチアーノ殿は今はアリーナに出ている為、陛下を守れるのは俺と療養中のソーンの2人しか居なかった。
     
     まだ攻撃カードも無い為、対抗手段も無く魔剣で防ぐので精一杯だった。
     
    「……く……ぅ……」
     
     一撃が重い……恐らく相手は自分よりも格上で、メダルも着いているはずだ。
     
    「アダム、もういいから」

     陛下が泣いてる……!
     
     陛下の下に走ろうとしたら力が弱まって、相手に吹き飛ばされた。
     
    「がはっ」
     
     口の中に血の味が広がって……魔剣……持て……る……か……
     
     ゴホゴホと血を吐きながらも立ち上がり、

    「陛下……へ……か……には……触れさせな……」
     
     大丈夫、陛下を逃がす為の時間くらいなら……稼げるはずだ……。
     
     
    「アダム」
     
     
     フラフラの俺に駆け寄ろうとする陛下を手で制し、無理矢理の笑みを見せた。
     
    「……大丈夫です……へ……か……
    先に……逃げ……」
     
    「嫌だ
     アダムも逃げるの!」
     
     と駄々をこねる陛下を護るのはギリギリかもしれないが……ルチアーノ殿の足では絶対に間に合わない。
     
    まずいな……システムに不具合が……このままだと俺が陛下を傷付けかねない。
     
    咄嗟に嫌がる陛下を突き飛ばした先にはソーンが居たから陛下は無事だと安心した。
     
    「兄様」
     
    「……大丈夫……後で行く……」
     
     ソーンに早く行けと合図を送れば俺の名前を呼びながら泣き叫ぶ陛下を連れてソーンが走っていった。
     
    「……ふふ……」
     
     #イレギュラー 二感染
     
     ───
     それから俺は自分を「アダム」と呼ばない連中を氷漬けにし、壊して回った。
     
    「……脆ィ……」
     
     凍っても美しくないものばかりだ……。
     
    「……ヘーカ……会イタイ……」
     
     傷が痛むけど……少し休めばオドが満ちて多少は楽になれる。
     
    「……ヘーカ……。」
     
     陛下はこんな俺を見て怖がらないだろうか……
     
     会いたいと思うのは俺だけだろうか……。
     
     傷付いた身体を引きずって歩くの……スラムの生活以来だなぁ。
     
     もう一度……俺にその手を差し伸べてください……陛下……。
     
     ───
     
    「……アダム・ユーリエフ知りませんかぁ」
     
     あのホームを襲撃された後、ずっとアダムを探していた。
     
     あんな酷い怪我をしてるんだ。
     
     早く手当をしなくちゃ、アダムだろうと死んじゃうよ!
     
     まだ出来たばかりのプレイヤーなんて誰も見向きもされないから、自分の足で探すしか無かった。
     
     ソーンはあの日から避難先の温室で塞ぎ込んでしまい、ルチアーノは依頼で手伝えないから自分1人で探していた。
     
    『陛下、ソーサーを持ったまま飲むのは王宮ではマナー違反ですよ?』
     
     初めてアダムが淹れてくれた紅茶を飲んだ時に飲み方を指摘してくれた彼のあの時の困ったような笑顔がもう一度見たかった。
     
    「……アダム……もうワガママなんて言わないから……」
     
     だから一緒に帰ろうと涙でぐしゃぐしゃな顔で走っていたら……この魔剣は……
     
    「……アダム……」

     血が付いた魔剣の欠片はあるのに、本人は居なかった。
     
     けど引きずった様な跡が残っているから、それを追って行った。
     
     そこにアダムが居ると信じて。
     
     ──
    「……ヤハリ……綺麗ジャナイ……」
     
     ダメだ……目が霞んできた……。
     
     最後に……もう一度だけ……陛下に……
     
    「……やっと見つけた」
     
     膝から崩れ落ちかけたら、温かい手が俺を抱き留めるように動いて……。
     
    「……っ……」
     
     嗚呼……走馬灯なのか……陛下が……#イレギュラーに感染した俺なんて分かるはずないのに。
     
    「……へ……カ……」
     
    「……アダム、アイシクルコフィン……使える……」
     
     ……この声は……俺がずっと聞きたかった声で……待ちわびた温度で……。
     
    「……ャ……へ……カ……」
     
     嫌だ……やっと会えたのに……陛下だけを氷漬けにするなんて出来ない……。
     
    「……魔剣をあそこに置いてさ、私と二度と離れないように……ね?」
     
    「……ッ……」
     
     陛下は正気なのか
     
     そんな事したら残されたソーンとルチアーノが……
     
    「……ソーンとルチアーノの権利は避難先の方に譲渡した。
     アダム、コレは命令。
     
     貴方と私の方向に軌道が向くようにアイシクルコフィンを撃ちなさい。」
     
     陛下の真面目な言葉に従いたい気持ちはあるのに、血を流し過ぎたせいで今の自分には指一本動かす事も出来ない。
     
    「メイ……レイ……ヘーカカラノ……ゴホッ」
     
     ダメだ……思ったよりも身体へのダメージが大きい……。
     
    「……ほら、一緒に楽になりましょう。」
     
     血を吐く自分の口に、甘くて柔らかい感触がした後……動けない俺に変わり、俺の中の魔剣達が勝手にアイシクルコフィンを発動させた。
     
    目を見開き、でも最後に会えたのがずっと会いたがった陛下なのは嬉しかった。
     
     強引に唇に重ねられたのが陛下の唇だと分かった頃に無意識に浮かべた笑みは……
     
    「ズット……一緒……」
     
    完全に凍り切る間際に抱き締められた陛下の香りに包まれ、手の温度と重ねられた唇の甘く……柔らかな温もりはこの氷が割れるまで俺と陛下を繋ぐスラムには無い優しい温もりです……。
     
    「ずっと一緒だよ、アダム……」
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