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    ChukanabeMH

    @ChukanabeMH

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    ChukanabeMH

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    そんな訳で、ウツハン♀現パロ妖怪退治
    のパイロット版
    短編いっぱいの本にする予定

    ラブホテルの怪 東京池袋、かつては闇市が横行していたとも言われる歓楽街の一角。異国文化溢れ、日本語すら怪しい多国籍の店が建ち並ぶ。安い居酒屋から、ゲームセンター、寄席……一通りの快楽を詰め込んだ西一番町と呼ばれる場所の――奥の方に眉間に皺を寄せた男が立っていた。
     一見すれば、役者のような美丈夫ではあるが日本人離れした鍛え上げられた体躯は、どこか威圧感を放っている。眉間の皺さえなければ柔和とも呼べる顔つきなのだが、苛立っているのかその姿はさながら仁王像のようだ。
     夜の帳が落ち切ったこの歓楽街には少々似合わない。道行く恋人同士が驚きながらもホテルに消えていく。大きくため息をついたところで、件のホテルの入り口から少女が出てきた。
     年は二十代にいくかいかないか。切りそろえられた短い髪と、くりっとした黒目が特徴的な、男よりもこの場に似つかわしくない存在である。
    「ウツシさん」
    「おかえり。どうだった?」
    「やっぱり『います』」
     少女の言葉に、ウツシと呼ばれた男は再度大きくため息をついた。できればハズレでいてほしかった……。

     『います』の一言だけであれば、探偵かもしくはそういった筋の人間だと想像するだろう。だが、彼らはそれよりも更にディープな場所に両足を突っ込んでいる。

     人ならざらぬ者の退治。

     言ってしまえば妖怪や異形、怪異などなどを専門に扱う者たちだ。新宿の雑居ビルに事務所を構えるウツシにとって、こういった事は日常茶飯事だし、出てくれば物理だろうがなんだろうが対処すればいいのだが――今回ばかりは勝手が異なっている。

    「恋人同士でイチャイチャしないと怪異が出ないって、不思議な条件ですね」
    「…………うん」

     そう、怪異が出てくる条件があるのである。おまけに発生場所のホテルはホテルでも、歓楽街の時間制ホテル。俗な言い方をすればラブホテルだ。
     先ほどホテルの中に消えていった恋人たちも、一晩の熱を楽しんでいるのだろうが……ウツシとしてはたまったものではない。
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