遥の体温に触れるのが好きだ。物理的に触れれば、わからないようなことなんて何もなくなって、お互いにわかり合えてると信じられる。昔みたいに、寄り添ってなんでもわかり合えた頃みたいに、わかると信じられる。
うなされて目を目を覚ましたら遥がとんできてくれて、おれがいるから泣くなってと、手を握ってくれたことを思い出した。あたたかかった遥の体温。それが、今もすぐそばにあった。珍しく遥がソファで転寝をしていて、隣が空いていたのが嬉しくて、そこに座った。そして遥によりかかっているうち、眠ってしまったようだった。
重かっただろうに、遥はまだ寝ていて、なんで起きないんだろうなんて、この先は考えたらいけないような気がした。