錆+義炭「錆兎がいっぱいコレクション」錆兎がいっぱいコレクション
※義炭要素の他に錆義、錆炭要素が含まれます
「拝啓 冨岡義勇様
突然ですが、錆兎が増えました。ご自分の目で確かめて頂きたく、一度蝶屋敷へ来てもらえませんか。
竈門炭治郎」
義勇はその手紙を読んで首を傾げた。
炭治郎とはパァンズゾゾ(※15巻の内容を表す便利な擬音)以来恋仲である。
それにしても、……錆兎が増えた?
* * *
「あ、義勇さん!」
「炭治郎、これは一体どういうことだ」
「それが、錆兎が増えまして」
「義勇」
「あ、原作錆兎」
原作錆兎?
見れば義勇の記憶の中にある錆兎そのままの、宍色の髪をした少年がそこにいた。
「錆兎……!」
「泣くな、義勇。男だろ」
「すまない、あの時…俺を庇ったせいで」
「違う。あれは俺が弱かったからだ。だからもう、気にするな」
原作錆兎は炭治郎が岩を切った時のなんとも言えない微笑みを浮かべて義勇を見つめた。全ての腐女子がその光景を見て尊いと涙を流すであろう。完全に錆義である。
そう、錆兎はこの場において最強のスーパー攻め様であった。
「おい、原作の俺。義勇から離れろ」
「あ、生存IF錆兎」
生存IF錆兎?
そこには義勇と同い年に成長した、堂々たる体躯の美丈夫錆兎がいた。
「生存IF錆兎は義勇さんとダブル水柱なんですって」
炭治郎はそう言ってはしゃいでる。そしてこの場には誰もダブル水柱に突っ込む者はいなかった。
「ああ、俺たちは二人で一人の水柱…俺の背中を預けられるのは義勇。お前だけだ」
(かっこいい…!)
錆兎は腐女子をも夢女にする微笑みを浮かべて、ついでに錆義錆炭のフラグも立てまくった。このまま錆義炭が始まるかと思われたその時。
錆兎はまだ他にもいた。
「ここはどこだ?何故冨岡先生と炭治郎は着物を着てるんだ?」
「ああ、キメ軸錆兎もいたんだったな。悪かった、放っておいて」
キメ軸??
「あ、義勇さんこちらは百年後の未来からやってきた錆兎の生まれ変わりです」
最早何がなんだか分からない。
「冨岡先生か……?これはどういうことだ?」
「ええと、ここは君がいた世界から見ると過去なんだ。説明が難しいな」
ちなみにこの錆兎はタイムパラドクスにより未来に帰る時に全ての記憶を消される仕様である。
「それよりさっきから気になってたんだが、炭治郎。お前の背中におんぶされてるのは」
「ああ、この子はばぶちゃん錆兎です」
「赤子までいるのか……」
「俺と義勇さんで錆兎を立派な剣士に育てましょうね!」
ふんすふんすと鼻息を荒くしている炭治郎は本気だ。全年齢本ならば義炭+錆のほのぼの疑似親子本が、年齢指定本ならば成長後錆兎による年下攻め錆義錆炭のハーレム本になることだろう。
なお、ツッコミは不在である。