手の平の温度時雨ちゃんと火垂屋店主の何気ない会話(妄想)
手の平の温度
「…ずっとおもってたけど、あんたの手って冷たいよね」
商品を受け取りながら時雨はぼやいた。
「魂魄の使い方とか最初に教えてくれた時から思ってたんだけど…冷え性とか?」
こてんと首をかしげながら火垂屋を商っている店主を見つめながら時雨は常日頃から気になっていた疑問を口にした。それを言われた店主たる男はもう既に商品がない手をそのままにしたまま少し固まる。
「なにを言ってるんだお前は…?」
「だって、あんまりにも冷たすぎるし、寒くないのかなって」
私も雨ノ四葩にいるときは手は冷えるけどさーと普通に会話を続ける時雨に、いつもの姿勢に戻りながら店主は少しだけ眉間にしわを寄せた。本当にこの娘は何を言っているんだと思い。
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