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    飴宿り

    @AMEame_94

    ロナドラ
    ぽいぴくにフォロワー限でぽいぽいしてるのはちょっとづつ書き足したり大量に直す可能性があるからなので、そのうち支部に上がりますので!

    何かありましたらこちらまで
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    飴宿り

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    ソファと棺桶6 展示物。
    15×15

    ##ロナドラ単発

    いつだって、見守るから 最初の印象はただ、同じクラスに入学してきた吸血鬼というだけだった。
     それが、ドラルクだ。
     初めの頃は吸血鬼に対してみんなどう接していいかわからなくて遠巻きに見ていたけれど、ドラルクはとにかく人懐っこいやつで、臆すること無くどんどんと交友関係を広げていくような奴だった。
     日本人とのハーフらしく、日本語もペラペラだったので自分からクラスの生徒に話しかけに行くようなコミュ強だったから、最初は距離を置いていたクラスのみんなもどんどんと打ち解けていった。

     秋が始まる頃には、多くのクラスメイトがドラルクの事を好きになっていた。比喩とかではなく、ガチのやつ。
     考えてみて欲しい。
     女っ気のない男子高校生が、同級生に他のクラスメイトより頭一つ分小さく、なんか細っこい子供みたいなまるいほっぺをしている奴がいて。
     そんなやつににこにこと笑って話しかけられたり、ふざけた話題振ってからかって来られたり、ゲーム一緒にやりましょう!なんて誘って来られたり、その上で「クッキー作ってきましたよ~敬え~」なんて言いながら手作りのお菓子とか差し入れてくれたりするんだぞ。
     そんな奴の事、好きにならない訳がない。

     まあそんな感じでドラルクはクラスメイトどころか同級生や先輩からも定期的に告白をされるという激モテなのだが、どんなに人気のある先輩だろうが、普段めちゃくちゃ仲良くしているクラスメイトだろうが生徒会長だろうが、申し訳なさそうに長い耳を下げて断っていた。

     そんなドラルクと俺は、毎日二人きりで星空の元昼食を一緒に食べている。
     昼食と言っても夜間学校だから夜食みたいなもんだけど。



     きっかけは些細な事だった。
     俺とドラルクはまあ、クラスメイトだから普通に話する程度だった。普段俺は別の友達二人とつるんでいたし、ドラルクは色んなグループを転々としている奴だったし。
     けれどある日の事、明け方コンビニに行っている時に路地でドラルクに遭遇したんだ。
     思ったよりも朝日が出るのが早くて、暗い路地から出られなくなってしまったという。
     ドラルクが「私一旦死にますから、ロナルド君、私の事運んでください!」なんて言い出して実際に死んで塵になった。
     唐突なクラスメイトの死に青ざめている俺の目の前でナスナスと当たり前のように復活したドラルクは「私は畏怖い吸血鬼なので、死んでもすぐに蘇れますから安心してください」なんて言ってのけた。
     だから俺も安心して(?)ドラルクの事を着ていたマントにくるんで住んでる城まで持ってかえってやれたのだった。

    「眠くなければ、お茶でもしていきませんか?」
     なんて誘われたから、俺はドラルクの部屋で美味しい紅茶とあいつの作ったマフィンをごちそうしてもらった。
     今度はバナナマフィン食いてぇ、なんてぼそっと呟けば眩しいほどの笑顔を浮かべて「わかりました!お礼に今度作っていきますね。皆には内緒ですよ」なんて言い出して、実際に数日後に作ってくれた。
     昼休みに呼び出されて、屋上に続く階段を一緒に登る。なんだか告白されるみてぇな雰囲気にドキドキしながら屋上まで出れば、満点の星の下でドラルクが出してきたのは、約束したバナナマフィンだった。
    「ロナルド君、この間のお礼です!」
    「……いいのか?」
    「勿論。君の為だけに作って来たから、全部食べてくださいね!」
     感動しながらドラルクの作ってくれたバナナマフィンにかじりつけば優しい甘さでチョコチップも入っていて滅茶苦茶に美味かった。
     俺があまりにも美味しそうに食べていたからなのか「また作ってきますね」なんてにこにこされて、喉にマフィン詰まりかけた。

     その時に俺が総菜パンを齧りついていたせいか「よかったらお弁当作ってきましょうか?」なんて言ってくれた。
     申し訳ないから断ったら「良いんです、料理の練習しろって言われているんですよ!」なんて言ってくれた。そこまで言われたら、俺だって断り続ける理由もない。だって、滅茶苦茶食べたかったし。
     俺の家は俺と兄貴と妹の三人だけだ。兄貴は吸血鬼退治人として既に働いていて忙しい日々を過ごしている。だから俺の弁当なんて作る余裕はないから、いつだってコンビニで買って来たものを食べていた。
     だから人に作ってもらって弁当なんて、小学校の遠足以来食べてねぇ。ものすごく楽しみだ。
     次の日早速弁当を作ってきてくれたドラルクはまた同じように屋上に登り、俺と昼飯を食べた。
     ドラルクが作って来てくれたお弁当は滅茶苦茶うまかった。量はちょっと少なかったけれど、卵焼きもちょっと甘くて俺好みだったし唐揚げも濃い目の味ですごい美味かった。
     俺がぺろりと食べ切ったらそのおっきい目を真ん丸にして「すごい食べるんですね」なんて言って来たんだ。
    「この倍は食える。滅茶苦茶美味いし」
    「倍!?」
     ドラルクがひゃ~!なんてとてもわかりやすく驚いていて、思わず吹き出すように笑ってしまった。
    「わかりました!じゃあ、明日はもっとたくさん作って来ます」
    「……明日も作ってきてくれるんか」
    「勿論ですよ!ロナルド君はおいしそうに食べてくれるから作り甲斐あります」
     がっついてると思われたかな。俺はちょっと恥ずかしくなって視線を逸らした。視線を逸らしたまま、一つだけ訂正する事にした。
    「……美味しそう、じゃなくて、美味しいよ、お前の弁当」
     そんな風に伝えれば、今度はドラルクの方が恥ずかしそうに耳の先っぽまで真っ赤になったのだった。



     こうして俺たちは、お昼を一緒に食べる日々を過ごす事になった。
     それをきっかけに俺とドラルクは急速に仲良くなっていき、それと同時にドラルクは俺への遠慮が全くなくなっていった。
     昼休み以外も俺がつるんでいる友達といる所にやってきてはからかって来やがる、俺がムキになって反応するから尚更楽しがって子供のように無邪気に笑う。そんな俺達の様子をクラスの奴らは「夫婦喧嘩」なんて言われてしまった。
     夫婦ってなんだ、夫婦って。
     ま、まずは恋人になるところからだろ。

     俺は、まあ、順当にドラルクに恋をした。だってあんなの恋しない方が難しいだろ。俺のためにわざわざマフィン作ってくれたり弁当毎日作ってくれたり。しかも可愛い笑顔で「ロナルド君だけ特別ですよ!他の子には内緒ですからね」なんてしーっと人差し指立てられたりしたら、もうそれだけで心臓バクバク暴れちまうし、あいつ、距離近いというか、すぐに腕絡んで来たりするし。
     最近はオカズももっぱらあいつだ。週10回は抜いている。

     でも俺はこの気持ちをドラルクに伝えるつもりはねぇ。だって、今までドラルクは告白されても全て断って来た。そもそもが同性が恋愛対象にならないのかもしんねぇし。
     それは俺もそうだけど。
     ドラルクの事好きになる前までは、兄貴の持っていたおっぱいのでかいお姉さんのエロい本がオカズだったし。
     だから、気持ちを伝えてその結果気まずくなって毎日の昼休みの秘密の待ち合わせが無くなってしまうのは嫌だ。
     告白してフラれるくらいなら、今みたいに友人同士で親密なままの方がいい。
     その代わり、俺はドラルクの事を色んなことから守ってやろうと思った。
     か弱いドラルクには、多くの危険がある。吸血鬼の弱点である日光や銀、にんにくは勿論のこと、机の角に膝をぶつければ死に、カナブンが教室に入り込んできたら死に、チョークの粉が舞って吸い込んだだけで死にと、ほんと些細なことですぐ死ぬ。
     他にも、ドラルクに恋をしていて変な気を起こすやつだって出てくるかもしんねぇ。
     そういう種々雑多なものから守ってやろう。そんな風に常日頃から心の中だけで思っていたんだ。



     今日もまた、俺とドラルクは二人だけで星空の元ドラルクの作ってくれお弁当を食べていた。
     今日はトマトのベーコン巻きとブロッコリー、あと飯がオムライスになっていた。どれもめちゃくちゃ美味ぇ。
     俺が夢中で弁当を食べていると、不意にドラルクが小さなため息を零した。
     今日は登校してきた時からなんだか元気がないように思えた。いつもは生意気げにツンと上を向いている長い耳も垂れている気がする。関係ねぇけど、猫みたいで可愛いと思う。
    「…なんかあったんか?」
     心配になってそんな風に問いかけると、ドラルクは「うん…」と落ち込みを深めてぽつぽつと語り始めた。
    「最近、なんていうか……私の周りで変な事が起こるっていうか」
    「変な事?」
     ドラルクは小さく頷いて、言葉を続けた。

     学校から家に帰ると、決まって同じような時間に、電話が鳴るという。出てみれば無言で、ハァハァと少し荒い息がして、それでガチャンと切れる。怖いから出ないでいると、ドラルクが出るまでずっと電話は鳴りっぱなしになるという。

     外に出かけると、常に誰かから見られている気がする。最初は自意識過剰だと思っていたけれど、何度も続くものだから、自分を見ている誰かがいる気がしてならないという。

     夜目覚めると、部屋の中の物が移動している時がある。机の上に置いたはずの消しゴムが落ちていたり、クッションの位置が変わっていたり。また、自分は棺桶でも寝られるようにと寝相が綺麗なはずなのに、布団や服がめくれている時もあるという。

    「極めつけに……今日起きたら、私を隠し撮りしたような写真が数枚送られてきていて……ねぇ、ロナルド君。これって所謂ストーカーって奴なんですかね」
     そう言ってドラルクは、怖いんですと遂にはその大きな瞳を潤ませて、耐えきれないとばかりにピスピスと泣き始めた。
     子供のように手を目元に添えて泣くドラルクの姿は可哀想だった。それ以上に可愛くて、庇護欲を掻き立てられて、思わずその小さな体に腕を回してドラルクが死なない程度の強さでぎゅっと抱き締めた。
     俺に抱き締められてびっくりしたのか、ドラルクの涙は止まった。
    「俺が、守る。ドラルクの事守るから!ずっと一緒に居るし、変な奴が来たとしても絶対に助ける」
    「ロナルド君…」
     ドラルクの体は小さくて、でも何だかとてもいい匂いがした。なんか、タンスの匂いっていうか、とにかく、俺の凄く好きな匂いだった。
     ドラルクが俺の背中におずおずと手を回して来る。それがもう堪んなくて、俺は自分の中でドラルクへの思いがガーーっておっきくなっちまった。
     気付いたら、口を開けてた。
    「俺、お前の事、す、す、好きだから!…友達としてじゃなくて」
    「えっ」
     あー、めちゃくちゃ顔が熱い。絶対茹で蛸みたいになっている自信がある。けれど言っちまったからには後戻りは出来ねぇ。
     ドラルクは俺の事を見上げて目をパチパチと何度も瞬かせている。驚いたせいなのか涙も引っ込んだみたいだ。
     暫くぽかんとしてたけれど、不意に身体を震わせ、それからそのまるくてやわらないほっぺをポッと赤く染めあげた。可愛い。かじりつきたい衝動を必死で我慢する。
    「……嬉しい」
     ドラルクが、こんだけくっついてねぇと聞こえない様な小さな声でぽつりと呟いた。
     今、嬉しいって言った?俺の幻聴じゃなくて?都合よく見せている妄想かもしんねぇ。そんな風に思っている俺を否定するかのように、ドラルクはふにゃりと可愛い笑顔を見せてくれた。
    「私も、ロナルド君の事好き」
     そんな風に呟いたドラルクの手が、俺の両頬に添えられた。ひんやりとしている小さな手。そっちに気を取られていたら、不意にドラルクの顔が俺に近付いてきて、ちゅ、と音を立てて口と口が重なった。
     キスされた。
     ドラルクに、キスされた!
     俺は勿論、家族以外とするキスは初めてだった。 一瞬だけだったから、レモンの味したかわかんなかつた。てか、不意打ちすぎて感触もよく分からないままに離れてしまった。
     嬉しそうにニパ、と笑ったその口の間に俺にはない牙と、ちっちゃな舌が見え隠れした。それを見てたら何だか頭に血がのぼって行く感覚がした。
    「わ、わー!ロナルド君!鼻血、出てる!」
     もっとスマートに格好良くしたかったのに、興奮しきった俺は、情けなくも鼻からたらりと血を垂らしてしまったのだった。



     それから俺とドラルクは、晴れて恋人同士になった。
     でも周りには秘密にしておこうと言う話になった。万が一ストーカーが近い存在だったら危険が及ぶし、モテモテのドラルクの恋人だと俺がやっかみを買うのもドラルクが良しとはしなかった。
    「この世界一可愛くて完璧な存在なドラドラちゃんを恋人に出来るなんて、ロナルド君は世界一の幸せもんですからね!周りにたっぷり嫉妬されちゃったら可哀相ですから!」
     そんな風に胸を張ってドヤ顔しているドラルクも可愛くて、思わずドラルクが死んじまうくらいに強い力で抱きしめてしまった。
     学校では今まで通りにからかわれ、喧嘩し、言い合いして、そんでもって昼飯は一緒に食べる。今までと何ら変わらない生活を送った。元からそれが楽しかったから、何倍も楽しく感じられた。
     そして、学校が終わったら毎日ドラルクの事を住んでる城みてぇな家まで送っていった。
     ドラルクん家は俺ん家とは方向か真逆だったから、申し訳なさそうにドラルクは断ってきてたんだけど俺が真剣な顔をして「俺が一緒に帰りたいんだ、俺はお前の恋人だから」と本音を伝えればドラルクは顔を赤らめて嬉しそうに頷いてくれた。
     帰るのは夜中だから人影も疎らなので、いつも手を繋いで帰った。
     俺が一緒だからか、周りに起こっていた変な事は、無くなったみてぇだ。
     それだけでも、俺はドラルクの事を守れてるんだろう。何だかドラルクの騎士になれたみたいで、嬉しいし誇らしいと思えた。





     ドラルクと恋人同士になってはや一ヶ月。
     俺はドラルクん家で一緒に過ごしてから自分の家に帰り、それから自分の部屋で余韻に浸ってボーッとしていた。
     兄貴は仕事に行っていて、帰ってくるのは陽が登ってからだ。妹は昼間の中学校に通っているから、今は寝ている。
     ドラルクん家にはもう何度も遊びに行っている。ドラルクの好きなゲームをしたり、映画を見たりそんな感じで過ごしてたんだけど。
     今日は、なんと、ちょっとエッチなキスをしてしまったんだ。
     AVとかでするような、ベロ絡めてするやつ。
     ドラルクとはもう何度も触れるだけのキスをしているんだけど、今日は二人で今度遊びに行く所を検索して、くっついてドラルクのスマホを眺めていた。
     不意に肩と肩が触れ合って、お互い同時に見合って、目が合って、ドラルクが目をパチパチさせてから、ふ、と笑って目を閉じだ。
     キスしていいって事だよな。そう思った俺は、顔を傾けて、ドラルクにキスをした。
     ドラルクの唇は、ひんやりしていて気持ちいい。ちゅ、ちゅと音を立ててすり合わせてとしていると、ドラルクはとろんとした目付きになる。めちゃくちゃ可愛い。
     キスする時ってのは、目を閉じるのがマナーらしいけど、俺はドラルクの事見てたいからついつい目を開けといちまうんだ。それに気付いたドラルクは「もう!」なんて恥ずかしそうにしているのもめちゃくちゃ可愛いし。
     嬉しいな、キスもっとしたい。そんな風に思っていたら、スマホを置いたドラルクのひんやりとした手が俺の首から頬に回る。
    「ロナルド君、くち、あけて」
     そんな風に言われて俺は素直に口をぱかりと開けた。
     そしたらどうだ、ドラルクがキスしてきて、そんでもって舌を俺の口の中に侵入させてきた!
     俺は驚きすぎてめっちゃ肩をビクンと跳ねらせる。そしたらそれが面白かったのか、ドラルクは俺の口ん中に吹き込むように「んふふ」と笑った。
     そうこうしているうちに、ドラルクの長い舌が俺の舌を捕まえて絡めてきて、歯をつついて、そんでもって上顎の所をぺろぺろ舐めてきた。上顎んとこ舐められると、やばいくらいに気持ちよくて、ちんちんちょっと、いや物凄く勃っちまった。
     くちゅくちゅ、二人分の唾液が絡まって、それを吸い取ったドラルクはごくん、と喉を鳴らす。ドラルクが俺の唾飲んだ。その事実に興奮しすぎて頭おかしくなるかと思った。
    「…ぷは。はい、おしまいです!」
    「う、え、ええ」
    「これよりも先は、私達にはまだちょっと早いですからね!」
    「ええー!」
     俺、痛いくらいちんちん勃ってんだけど!けどドラルクは耳の先っぽピンクにしながら「また、そのうち、続きもしましょうね」なんて言ってくれた。
     これ以上居たら、触ってもいねぇのに出そう。そう思って俺は痛いくらいの股間抑えてドラルクん家を後にしたんだ。



     …ああ、ダメだ。ドラルクとのキスを思い出すだけでまたちんちん勃ちそう。帰ってきてからもう3回くらい抜いてんのに。
     俺は部屋の鍵が内側からしっかりと閉まっていることを確認してから、ベッドに登る。ベッドの横には、友達に誕生日の時貰ったゴリラの映画かなんかのポスターが貼ってある。これ自体には、全くもって思い入れはない。本当に大切なもんは、このポスターの下に隠されたものの方だ。
     四つある画鋲をしたの二つだけ外して、持ち上げる。そこに現れたのは、可愛いドラルクの、可愛い写真だった。
     つるんでいる友達が吸血鬼も映るかなり良いカメラを持っていたから、時々借りてこうしてドラルクの事を撮っている。
     誰かと喋っている時の横顔、街中で犬に出会って死にかけている所、家の人に何か言われてぶすっとしている時の顔、血を飲んで、口元に血を滴らせている様子、それと、無防備に寝ている姿。
     ドラルクはいつだって可愛いから、こうして厳選してもいっぱいになってしまう。それを結構大きいポスターからはみ出さないようにと注意して、たっぷりと壁に貼り付けている。
     いつだって、俺はドラルクの事を見守っている。優しくて、可愛くて、そんでもって死にやすい。俺が見て居なきゃ。守ってやらなきゃ。強くそう思う。
     最近は落ち着いたみたいだが、ストーカーに悩まされてもいた。ドラルクの後を追いかけたりとか無言電話とか、迷惑なやつだ!
     それに、ドラルクの部屋に入っていいのは俺だけだし、写真撮っていいのも俺だけだ。
    「…大丈夫だからな、俺が変なやつから、ちゃんと守ってやっから」
     俺は今までだって、付き合う前から、ちゃんとドラルクの事を守ってやってた。
     あいつがちゃんと家に帰れているか心配で、電話かける。別に話とかしなくていいんだ。家にちゃんと居るってのを確認できればいいから、確認出来たらすぐに切った。
     出かけている時とか、あいつは転ぶだけで死んじまうから、大丈夫かなって心配になってバレないように見守ってた。あいつは一人でも楽しそうだから見ていてこっちまで楽しくなるし。
     あと、会いたくなった時、駄目な事だってわかっているけど吸血鬼が寝ている昼間にドラルクの部屋に忍び込んだ事も何度か会った。ドラルクの部屋は、初めてあいつの家に行った時に場所分かっていたし。
     眠るドラルクが可愛くて、つい触ったりとかしたこともあった。本当に、少しだけだけど。
     あと、ドラルクに上手に撮れた写真いくつか送ってやったな、吸血鬼は写真とか鏡に映らないから、あいつがどんだけ可愛いのかしっかりと教えてあげたいと思ったし。俺は写真のプロじゃないけど、ドラルクの一番かわいい瞬間を見逃さない自信はあったから。
     ストーカーなんかの撮った写真には、負けない自信があった。

     ああ、ドラルク、可愛い。早く全部俺のもんにしてぇなって強く思う。今度あいつの家に行った時…全部、俺のもんにしてやろう。
     俺は写真の中で笑うドラルクをそっと撫で、それから唇を寄せた。
    「…ドラルク、好きだ、可愛い。俺がずっと守ってやるから。ずっと、ずっと」
     満たされる気分だ。こんなにも恋が楽しいとは知らなかった。全部ドラルクが教えてくれたんだ。
     俺はもう一度ドラルクの写真にキスをしてから、着ている部屋着のズボンを下に降ろしたのだった。

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