判南でキスの日「いっ」
最近唇が乾燥して薄く皮がめくれて引っかかることが増えていた南方の口の端がとうとう切れた。
表の仕事と賭郎の両立は段々と慣れていたが、現在進行形で表の方で大きなヤマを抱えており、多忙を極め、食事や睡眠がまともに取れていない状況だった。自分も歳をとったとしみじみ思っていた。
何より、元から少なかった恋人との時間も増して減ってしまった事もあり、仕事が忙しいことを言い訳に身嗜みを少し厳かにしすぎたと反省していた。
男だからと周りの目を気にすることなくリップクリームを使える世の中になったことはとても有難いと思いながらこの後の予定を頭の中で整理する。
先日行った立会の報告書を提出するために庁舎から出る必要があった為、途中コンビニでも寄ってリップクリームを購入しようと思い、南方は直ぐに身支度をし庁舎を後にした。
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